67.魔具開発発目明 ページ23
「今日はこれ以上何もしない」と言う爆豪だが、膝からおろしてくれる訳ではないらしい。
直ぐに諦めて再び本を読もうとするのだが、いかんせんファーストキスを唐突に奪われた直後だ。
男性経験のない頭から当然先程のことが離れずそれどころではない。
「っ...爆豪さんでも唇は柔らかいんですね」
「お前の方が柔いだろ」
つい口をついて出てきた言葉に反応して爆豪の親指がいきなり唇をぐにっと押し伸ばした。
そうすれば自身の「う」という呻き声に、喉奥で回るような小さな笑い声が聞こえてきた。
きっと頭後ろのこの男はまた意地の悪い顔をしているのだろうな、と思う。
そんなことに気を取られていたらふと誰か家にやってきたのだろう、玄関の戸を叩く音が耳に届いてくる。
最近は家を訪ねて来る人が多いな、なんて思いながら玄関に向かおうとするがこんな状況でも爆豪はその腰に回した腕を離そうとしない。
彼にとって存外今は心地良い時間だったらしくて誰にも邪魔されたくなかった、とのことだがそんなこと知るわけもなく。
「...すみません今手が離せないんです！入ってもらって構いませんよ！玄関の鍵開いてるので！」
「ア！？入ってくんじゃねェわ帰れ！お前もまたそうやって不用心なことほざいてんじゃねェ！」
「折角来てくれた人を顔も見ず追い返すってどうなんです！爆豪さんが離してくれたら済む話なんですけど！というか離してください、こんなの見られると恥ずかしいので...！」
「この声は爆豪君だ！ありゃ、お取り込み中？」
もめていた所に顔を覗かせたのは麗日、と何やら作業服を身につけた女性だった。
しかし思わぬ事にその作業服の女性の顔を見て一番に嫌な顔をしたのは、後ろで未だに意地で手を離さずにいる爆豪だ。
「お邪魔してます、私魔具開発をしてます発目明と言います！今回私の開発したドッ可愛いベイビー達を是非魔具好きだと麗日さんに伺いましたAさんに使っていただいて感想と改良点を答えていただきたく......！！」
「ち...近い近い...！」
爆豪の膝の上に乗っかっているこの非常な光景も気にせず発目がグイグイと詰め寄ってくる。
勢いも喋り口も物凄い人だ。
そう思っていたら、爆豪が引き寄せて発目から剥がすようにAに回した腕に力を込めた。
「テメェ...家に通電用魔具運んできたかと思えば、魔具暴走させて感電させた奴だろ」
「その説はどうも！ちゃんと改良版売り出してますよ！」
どうにも宜しくない前科があるらしい。
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Panda - 凄く面白かったです。続きが読みたい!!! (2020年10月11日 8時) (
レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 続きも読めて嬉しいです♪ 傍にいて守ってくれる十傑かっちゃんカッコイイし、安心します(*´艸｀*) (2020年5月12日 18時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！また新たな展開にドキドキハラハラで目が話せません…！！話や設定も面白くて、かっちゃんカッコ良くて、夢主さんも可愛くて好感持てます(*´∀｀*)とても好きです…！続きも楽しみにしております♪ (2020年5月11日 2時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
はこ(プロフ) - 花帆さん» はわー！！！頑張ります〜！ (2020年4月28日 15時) (レス) id: 7ba8c7d6b1 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！十傑かっちゃんとのこの後の展開もドキドキします…/// これからも心地よいペースでの更新を応援してますね(*´ω｀*) (2020年4月27日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はこ | 作成日時：2020年3月3日 12時
