58.誤解 爆豪視点 ページ14
「あ」
見てしまった、そんな表情を浮かべたAから零れた小さな声が耳に届いて、酔いに濁った頭が一気に覚めた気がした。
今俺は何を言ったのか、それを誰に見られていたのか。
当然そいつは誤解してしまったのだろう。Aはこちらに背を向けて突然逃げ出すように走り出したのだ。
「っちが...っオイ待てよ...！！」
「え、ちょっとお兄さん！？」
止めようとしてくる女も振り払って、Aの背を追いかけた。
繁華街の明るい光から真反対、街灯の消えた暗い道を走り抜けてそいつは家への近道なのだろう路地裏に入り込んだ。
こんな夜中にそんな更に人気の無い危ないところを通るなと言いたいが、それよりまずは誤解を解きたい。
こんなすれ違いで更に疎遠になるのはたまったもんじゃないだろう。
「逃げんじゃ、ねェ...っ！」
「やっ...！」
曲がり角に差し掛かったそいつに追いついてその細い手首を掴み上げたのだが、あろう事かAは振り向いて俺の腕をキツく払い除けた。
「っ...！！クソが、話を_______」
「話を聞け」、そう言いたかったのに振り向いたそいつの涙の膜が張った丸い青い目が俺の言葉を遮ったのだ。
「っ他にちゃんと好きな人がいるなら、もう返事なんかいらないんでしょう...！」
そんな訳あるか、ずっと返事を待っていたというのに。
しかし誤解であることを伝える前にAは走り去って行ってしまったのだ。
酔ってAの姿を重ねていたとはいえ、好意の言葉と行動を他の女に向けてしまい、そして結果Aにあんな顔をさせてしまった。
既に頭は冷えているが、先程までの暴力的な飲酒が原因でガンガンと頭に痛みを与えてきている。
(慣れない酔い方すっからこうなるんだよクソ...！)
会いたかったのに、触れたかったのに、自業自得で余計に遠ざかってしまったではないかと自身に暴言混じりの叱責を入れるものの、内心どうすれば良いかとまた柄でもなく実のところ悩んでいる。
とにかく何がなんでも手放す気は、さらさらない。
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Panda - 凄く面白かったです。続きが読みたい!!! (2020年10月11日 8時) (
レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 続きも読めて嬉しいです♪ 傍にいて守ってくれる十傑かっちゃんカッコイイし、安心します(*´艸｀*) (2020年5月12日 18時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！また新たな展開にドキドキハラハラで目が話せません…！！話や設定も面白くて、かっちゃんカッコ良くて、夢主さんも可愛くて好感持てます(*´∀｀*)とても好きです…！続きも楽しみにしております♪ (2020年5月11日 2時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
はこ(プロフ) - 花帆さん» はわー！！！頑張ります〜！ (2020年4月28日 15時) (レス) id: 7ba8c7d6b1 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！十傑かっちゃんとのこの後の展開もドキドキします…/// これからも心地よいペースでの更新を応援してますね(*´ω｀*) (2020年4月27日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はこ | 作成日時：2020年3月3日 12時
