ツンデレ 71 ページ21
＊
「勝利、どうかした？」
誰かに呼ばれたような気がして、俺が足を止めると、
聡が不思議そうな顔でそう尋ねる。
『いや。』
気のせいか、と思って後ろを振り向くと、アイツと岸たちのグループがいない。
「あれ、Aちゃんは？」
『さぁ。岸たちとダラダラ歩いてんじゃね？』
「それでも待っておかないとね。あの子、捕まっただけだろうし。誰かさんが付いていないから。」
『なんで俺の方見るんだよ。』
同じ表情をして、じとーっとこちらを見る聡と高島。
全く、なんで俺ばっかり責められないといけないんだよ。
しばらくその場に立ち止まっていると、岸たちの姿が見えてくる。
でもその中に、アイツの姿はない。
「あれ、Aちゃんは？」
それには聡も気が付いたようで、岸たちに駆け寄った聡はそう尋ねる。
「Aちゃん、先にお前たちのところに戻ったけど？」
「え？！」
「佐藤に話すことがあるって…は、何、Aちゃんに会ってないの？」
『おい、どういうことだ。』
驚く岸にそう詰め寄ると、何だか気まずそうな顔をする。
アイツ、俺のことシカトしておいて、今更話すことってなんだ？
でも、そんなことより…。
「勝利、Aちゃん…。」
『あぁ。ちょっと探してくる。』
「あ、待って、勝利！！」
引き止める聡を遮って、俺は元の道を戻る。
なんでいつも、アイツは危なっかしいんだ。
放っておくといつもこうだ。
勝手に無視して、次は話したいなんて、自分勝手な我儘のお嬢様にも程がある。
それなのに。
アイツがいなくなったと知って、急に落ち着かなくて、いつの間にか体が動いている。
他人になんて、興味も関心もなかったはずなのに、
なんで俺はアイツのことが気になって仕方ないんだろう。
『……これって。』
しばらく走っていると、草木の中に転がるカラフルな物が目に止まる。
よく見ると、それは昨日バスの中で俺にくれたアイツの菓子が入っていたポーチ。
『本当っ、世話が焼ける。』
そのポーチの先の横道には明らかに誰かが落ちたような窪みが残っていて。
俺は騒ぐ胸をなんとか抑えて、その先へと足を踏み入れた。
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舞子(プロフ) - ぬさん» 遅くなりましたが本日更新しました〜！これからも是非よろしくお願いします(^^) (2022年5月14日 20時) (
レス) id: 2ecde9cc04 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - もう更新はしないんですか？ 待ってます〜！ (2022年4月28日 21時) (レス) @page18 id: 1887ca628f (このIDを非表示/違反報告)
舞子(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます！話数結構あるのに読んでくださって嬉しいです（ ; ; ）ゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (2022年2月11日 20時) (レス) id: 2ecde9cc04 (このIDを非表示/違反報告)
み - 初めまして！コメント失礼します！とっても面白くて、イッキ見してしまいました！更新待ってます♡ (2022年2月5日 10時) (レス) @page16 id: 93a68ab51b (このIDを非表示/違反報告)
舞子(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます！今までと違うテイストのお話で不安でしたがそう言っていただけて嬉しいです（ ; ; ）更新頑張ります(^^) (2022年1月9日 2時) (レス) id: 2ecde9cc04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞子
| 作成日時：2021年11月22日 22時
