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Aを見ても特段変わった様子もなく、いつも通り俺について回ってるから、こいつが知る前に何とかしないとと思った矢先に、夜警の話が舞い込んだ。
Aからも進んでやりたいと言っていたし、これはいいチャンスだと思っていた。
グルッペンには相談していたものの、その話がロボロにもいっていたのは正直驚いたが、その話に乗らない手はない。
俺に一切の相談もなかった事は腑に落ちなかったが。
「知っとったよ」
思ったままをぶつけたせいで、大先生が言った言葉に反応が遅れた。
誰が、何を、知っていた？
「Aは、自分が道具って言われとること、小飼って言われとること、全部知っとったよ。
やから、夜警にも名乗り出た。
グルちゃんも、それを知ってて了承した。
あいつら全員が知っとったかは分からんけど、薄々気付いとったやろうな。
せやから、誰も止めへんかった」
「何で、何で俺に言わへんねん…」
「トンちは、優しい男やから」
「そんなん関係ないやろ！」
「Aは、あれは本能やろな。このことがトンちに知れたら、大変なことになるって言うとったわ。
具体的にどういうことやって問い詰めても、よう分かってなかったぽいしなぁ。ただ、大変なことになるっての一点張りや」
「…何で大先生が知ってんねん」
「相談をな、されてたんよ。自分のせいでトンちに迷惑がかかってるて。
功績をあげるのが一番簡単やって言うたら、こうなって僕もびっくりしてんやけどな」
やれやれと、大して困ってないくせに困ってる風を装う大先生を一発殴る。
ただの八つ当たりだった。
「痛ったぁ！」
「そう言うことは早よ言えや！」
「ごめん、ごめんって！でもAの意識改革も大事やし、ええ機会やん！？」
グルッペンが言っていた『考える時間が必要』というのは、Aのことであり俺のことでもあったのか。
見事にしてやられた。
Aの気持ちを少しも汲み取らないで、俺自身のエゴのために動いていたことに、気付かされる。
謝らんと。
謝って、頑張ってくれたAをたくさん褒めてやらないと。
そう思って立ち上がると、俺に殴られた頬を摩っていた大先生が慌てて立ち塞がった。
「邪魔や、どけ」
「あぁん、ちゅめたい。
やなくて、トンちはええけどAは自分で気付かなあかんねん！」
そうだ、この軍に死に急ぎは必要ない。
人は死を恐れるからこそ、生に執着出来るのだ。
そして、俺は心を鬼にして、Aが自らやってくるまで待つことにした。
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ハコ(プロフ) - 弥生夏さん» コメントありがとうございます。こういったタイプの主人公くんを動かすのは初めてなので、とても嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2020年6月28日 0時) (
レス) id: ad61983e44 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - かっわいい！高評価あと50回くらい押したい！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月26日 7時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハコ | 作成日時：2020年6月20日 0時
