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多分、Aは自分の死を恐れていない、と思う。
その代わりに、主の危機には人一倍敏感だ。
Aの意識が、武器のままなのも良くないとも思う。
「せやから補佐として囲いたかってんけど、早計やったかな…」
「まぁ、トンちの気持ちも分かるけどなぁ。あれやとA、勘違いしとんちゃう？」
「……勝手に入ってきて何やねん、大先生」
「鍵かけんと、基地内やからって物騒やで」
気が立っていたせいで、普段はかけ忘れないはずの鍵をすっかり忘れていた。
するりと入り込んでいた大先生が、優雅に椅子に腰掛けているのがとても憎らしい。
「マンちゃんとエーミールがついとるで」
「他の連中は？」
「あいつらが上手くフォロー出来るわけないやろ」
「ここに大先生がいる時点で盛大なブーメランなんだよなぁ」
とは言うものの、恐らく大先生は俺のフォローだろう。
昔はグルッペンが来たものだが、今は役職や立場的に厳しいから。
「俺は、ええねん」
「この従者にして、この主ありってね」
「何が言いたいんや」
「いや？よう似とんなって」
にっこりと笑う大先生の顔をぶん殴ってやりたい。
あぁ、ムカつく。
「ほんでも、頼り方知っとって実行せんやつと、頼り方知らんで実行出来んやつはちゃうからな。後者は教えてやればええけど、前者はタチが悪いと思わへん？」
「グルッペンには言うたし」
「結果がこれやけどな」
「…早急に解決せなあかんかった」
「こういう情報戦は外堀から埋めるのが定石やって、トンちの方が知っとるやん」
「じゃあどないせぇ言うんや！
Aが俺の道具や子飼いやって言われとる現状を、Aの耳に入る前に何とかせなあかん！
道具扱いなんぞする気ないのに末端にいくにつれ噂が蔓延しとる…主として、守ったらなあかんやろ！」
はぁはぁと俺の息遣いだけが部屋に木霊する。
大先生は相変わらず笑顔のままで、少しも表情を変えない。
それにすら、むしゃくしゃした。
そう囁かれ始めたのは、俺の仕事の一部を手伝うようになってからだ。
大先生やグルッペンを捕まえたり、書類の配達も任せるようになってからは更に増えた。
グルッペンがペイジボーイと公言しても、それは減らない。
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ハコ(プロフ) - 弥生夏さん» コメントありがとうございます。こういったタイプの主人公くんを動かすのは初めてなので、とても嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2020年6月28日 0時) (
レス) id: ad61983e44 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - かっわいい！高評価あと50回くらい押したい！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月26日 7時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハコ | 作成日時：2020年6月20日 0時
