6.使われることこそ喜び ページ31
無言のご主人に担がれて着いた先は、会議室だった。
夜中にも関わらず、煌々と明かりが付いているその部屋には、グルッペン殿以下幹部全員が揃っていた。
入り口近くで控えていたしんぺい神殿に、ぽいと投げ渡される。
「トントン、怪我人なんやから大切に扱ったりや」
しんぺい神さんの言葉に返事もせず僕をじっと見下ろすご主人の目はとても鋭かった。
「A、俺は退けって言ったよな」
「…はい」
「何で応戦したんや」
ご主人の責めるような声色に、萎縮してしまう。
だけれど、ご主人に害が及んだあの状況で、何故退かなければならないのか、ご主人が何故こんなにも怒りを露わにするのか、僕には全く見当もつかなかった。
だって、僕は武器だ。
主を護る懐刀。
鮮明に残るのは焼けたときの記憶だけ。
助けたいと願ったあの時。
護りたいと願ったあの時。
何もできなかった、あの時。
今なら叶えられる。
ご主人を、護れる。
折れさえしなければ、僕は戦えるのだから。
ご主人のためにできることは、これしかないのだから。
ご主人の問い掛けに答えられず、黙ってしまう。
それを見たご主人が大きな溜息を吐くのに、僕はびくりと身体を震わせた。
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ハコ(プロフ) - 弥生夏さん» コメントありがとうございます。こういったタイプの主人公くんを動かすのは初めてなので、とても嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2020年6月28日 0時) (
レス) id: ad61983e44 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - かっわいい！高評価あと50回くらい押したい！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月26日 7時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハコ | 作成日時：2020年6月20日 0時
