バレンタイン企画 〜やまありの場合〜 ページ3
「...あれ? 」
山田の家に来てすぐ、有 岡はある疑問を感じる。
綺麗に片付けされた山田の部屋。
今日はバレンタイン。
この時期になると山田の部屋には至る所に可愛い箱や袋がどっさりと置かれ、甘い匂いで溢れかえる...はずなのに。
どれだけ辺りを見渡しても、そのようなものは一切ない。
疑問に思っていた時、部屋のドアが開き、飲み物と二人分のコップを持った山田が入ってきた。
「どうしたの、なんか変なものでもあった? 」
「あっ、いや..あのさ、この時期になると必ずあるものがないなと思って 」
「あるものってチョコのこと? それなら全部貰うの断ったよ 」
「えっ...!? 」
有 岡は驚きとともにショックを覚えた。
あれだけたくさんのチョコを毎年貰っていた山田がそれを断るということはもしかして自分も断られるのではないだろうか...
そう思った有 岡は渡す準備をしていたチョコを咄嗟に後ろに隠した。
しかし、山田にそれは通用しなかった。
「今なんか隠したでしょ 」
「か、隠してないっ 」
慌てる有 岡をからかうようにニヤニヤと笑う山田が近づいてくる。
「なにー、なんかやましいことでもあるの? 」
「別にないけど... 」
「じゃあ、いいじゃん 」
「ダメだってば...ひゃぁッ! 」
「うわぁっ! 」
山田から逃れようとした有 岡がバランスを崩して倒れ込むと彼女の足につまずいた山田が彼女に覆いかぶさるように倒れた。
「あっ、やぁ..だめぇ../// 」
「あっ...//// 」
倒れた時に床についたはずの手は運悪く有 岡の膨らみかけの胸に触れ、彼女から甘い声が溢れる。
山田はすぐさま手を離し謝った。
「ごめんっ!」
「大丈夫..私の方こそごめん... 」
それからしばらくの沈黙が続く。
気まずいムードを断ち切ったのは山田だった。
「本当にごめん。そんなつもりはなかったんだ。もしかしたら大ちゃんが今1番俺が欲しいものを持ってるのかなって思って」
「え、それって... 」
恐るおそる隠していたチョコを渡すと山田が笑顔を見せた。
「やっぱり!それだ、俺が欲しかったもの 」
「でもみんなのは断ったんじゃ... 」
「鈍感大ちゃん。 たくさんの子にもらうよりたった一人の特別な子に貰った方が嬉しいにきまってんでしょ! 」
「それってもしかして...____ 」
顔を真っ赤に染めた有 岡に向かって貰ったチョコを見せびらかすように意地悪そうな笑みを浮かべて言った。
「ありがと俺の本命さん♡ 」
end
バレンタイン企画 〜やぶひかの場合〜→←バレンタイン企画 〜たかいのの場合〜
517人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(名前)まお(プロフ) - やまあり描いてほしいです! (2019年12月9日 23時) (レス) id: 3be28c5250 (このIDを非表示/違反報告)
蟻岡大貴(プロフ) - いつも拝見させてもらってます、どれも可愛らしく胸を打たれるモノばかりです!ありやま、楽しみです (2017年5月14日 16時) (レス) id: 5971eb2c6f (このIDを非表示/違反報告)
もろ(プロフ) - やぶとめさん» いえいえ(^^)私もやぶひかの番外編仕上げたかったので出来上がるまで楽しみにしていてくだされば光栄です(´∀`*) (2017年4月4日 9時) (レス) id: 42c5664aeb (このIDを非表示/違反報告)
もろ(プロフ) - いちごみりゅくさん» ありがとうございます!!黒了解です(^^) (2017年4月4日 9時) (レス) id: 42c5664aeb (このIDを非表示/違反報告)
もろ(プロフ) - にっくさん» いつも読んでくださりありがとうございます!了解しました(b゚v`*) (2017年4月4日 9時) (レス) id: 42c5664aeb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もろ | 作成日時:2017年3月6日 18時