水玉ガール 番外編

教えて、先輩！ その1 ページ11

「うーん... 」

「あれ..伊野尾？ 」


放課後、一人本屋にいるところ誰かに声を掛けられ慧は読んでいた本を咄嗟に閉じる。

その本を持ったまま警戒しつつ後ろを向くと自分と同じ制服に身を包んだ見覚えのある人がいた。


「相 葉先輩っ！？ 」

声を掛けてきたのは慧の一学年上の先輩、相 葉だった。


「校舎変わってからあんまり会わなくなったもんなぁ〜 今日、一人？ 」

「や、あの... 」


少し焦っている慧が隠そうとしている本を見て、相 葉は呆れた表情をする。


「...お前なぁ、そんなこそこそ読むくらいなら最初からそんな本読むなよ 」


慧が読んでいた本は大人向けのえっちな本だった。


「私だって、年頃の女の子なんですからこれくらい興味ありますぅ〜！ じゃあ、堂々と読めばいいんですか？ 」

「いや、そこまでしろとは言わないけど...最近タカとはどうなの 」


“タカ“というのは高木のことだ。

慧は中学の頃、相 葉と同じ委員会になってから仲良くしてもらい、高木のことも何度か相談に乗ってもらっていた。

今日は久しぶりに先輩に相談してみるのもいいかもしれない。


「それが...______ 」

「何してるんですか、相 葉さん 」


慧の声と相 葉に呼びかける誰かの声が重なる。


「あ、二ノ見つかった？ 」


相 葉が見るその先には同じく自分と同じ制服を着た小柄な少女が少年漫画を持ってジトーっと慧たちのことを見ていた。


「げっ..二 宮先輩... 」

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