バレンタイン企画 〜たかいのの場合〜 ページ2
「ただいま、慧ちゃん 」
帰ってきた高木の両手にはいくつもの可愛い袋が持たれていた。
「...おかえりなさい 」
ぶっきらぼうに返事を返し、またテレビの方へと顔を向ける。
今日は2月14日、バレンタインデー。
慧は年頃の女の子でありながらその日が大嫌いだった。
それなのにテレビでもその特集でもちきりで観たい番組がつぶれた慧は更に不機嫌だ。
機嫌の悪そうな慧を察し、高木はソファの上で体育座りをしている慧の横に腰掛ける。
「どうしたの、学校で何かあった？ 」
「...別に 」
「あ、これ食べる？ 会社でたくさん貰ったから... 」
高木は両手に持っていた袋を慧に差し出す。
機嫌をとろうとした故の行為なのだろうが、その行為は更に慧をイラつかせた。
「いいよ、それはたかぎが貰ったものでしょ。 全部たかぎが食べなよ 」
冷たく言い返した彼女はソファを下りると冷蔵庫から何かを取り出す。
「でもこんなにあっても一人じゃ食べられないし... 」
「そうだろうね〜 でもそれがまた更に一つ増えるからたかぎ大変だろうねぇ 」
「えっ... 」
言葉の意味が分からず、尋ねようとしたその時、胸元に可愛くラッピングされた袋を押し付けられた。
「頑張って全部食べてね♡ 」
満面の笑みで高木に言う慧に対し、突然のことに驚く高木。
「これ...慧ちゃんが作ったの？ 」
「そうだよ、光と大ちゃんと作ったの。 こんなにたくさん貰ってるのに増やしちゃってごめんね。でもたかぎにはどうしても渡したかったから...// 」
顔を赤くして拗ねた表情で言う慧の頭を高木の大きな手が撫で上げる。
「馬鹿だね、慧ちゃんから貰ったチョコが一番嬉しいに決まってるでしょ？ 」
優しい仕草に慧の胸は締め付けられた。
「えっ、それって...//// 」
「慧ちゃんはずっと前から知ってる大切な‘’妹‘’みたいなものだから 」
その言葉を聞いた瞬間、慧は高木の弁慶の泣き所を力の限り蹴った。
「いっったぁあッ！！ 痛いよっ！？ 」
「たかぎの馬鹿！鈍感！ろりこん！ もう知らないっ チョコやけ食いしてやるぅ！ 」
「さっきいらないって..ちょっ、まっ...ロリコン！？ 」
慧はバレンタインが大嫌いだ。
大好きな高木がたくさんのチョコを持って帰ってくるから。
そして、大好きなで鈍感な高木に翻弄されている気分になるから。
end
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(名前)まお(プロフ) - やまあり描いてほしいです！ (2019年12月9日 23時) (
レス) id: 3be28c5250 (このIDを非表示/違反報告)
蟻岡大貴(プロフ) - いつも拝見させてもらってます、どれも可愛らしく胸を打たれるモノばかりです！ありやま、楽しみです (2017年5月14日 16時) (レス) id: 5971eb2c6f (このIDを非表示/違反報告)
もろ(プロフ) - やぶとめさん» いえいえ(^^)私もやぶひかの番外編仕上げたかったので出来上がるまで楽しみにしていてくだされば光栄です(´∀｀*) (2017年4月4日 9時) (レス) id: 42c5664aeb (このIDを非表示/違反報告)
もろ(プロフ) - いちごみりゅくさん» ありがとうございます！！黒了解です(^^) (2017年4月4日 9時) (レス) id: 42c5664aeb (このIDを非表示/違反報告)
もろ(プロフ) - にっくさん» いつも読んでくださりありがとうございます！了解しました(bﾟv`*) (2017年4月4日 9時) (レス) id: 42c5664aeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もろ
| 作成日時：2017年3月6日 18時
