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伊野尾、ちゃん...
目の前で最愛の人物であろう大ちゃんに抱きしめられたまま眠る変わり果てた彼に対して、何も出来ない自分の無力さに爪の跡が残る程拳を強く握った。
大ちゃんが後悔してるのは勿論、伊野尾ちゃんの変化にいち早く気付いていたのに何もしてあげられなかったのは俺も同じだった。
強く握りしめた拳に爪がくい込み、血が滲むのもお構い無しにしばらくの間、ベッドの上の二人を暫く見つめていた俺たちだったけど、
背後から人の気配を感じ、振り向いた。
「慧...? 」
開いた扉の先に、見たことも無い人物が突っ立っているのが見えた。
突然現れた"そいつ"は、俺たちが視界に映っていないように伊野尾ちゃんだけを見ているような気がした。
一瞬でそいつが正気ではないことが分かった。
「おー久しぶりだな」
松岡くんが満更でもなさそうにそいつに話しかけるが、松岡くんの声はそいつの耳に入っていないようだった。
「なんで?なんで、なんで、なんで、なんでお前らがここにいる...?」
表情を変えずに声のトーンだけで俺たちに威圧感を与えながらベッドの方に近づいてくるそいつはポケットに手を入れた。
まさか..._____________
「慧を捨てたお前らが...近づくな!!!!慧に近づくなぁあああッ!!!」
ポケットの中に用意していたであろうナイフを取り出し、物凄い勢いで俺たちに向かって振りかざしてきた。
「っ!!!危ないッ!!」
大ちゃんに刃物を向けていることが瞬時に分かった俺の体は、無意識にベッドの前へと向かっていた。
向かってくる刃物に来る筈の痛みに、俺は目を閉じる。
しかし、何時まで経っても来ない痛みに目を開くと...
「いっ...てぇ... 」
「ひ、光くん!!? 」
そこには、自分の腕から血を流しながら痛みに顔を歪める光くんの姿があった。
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ぽんた(プロフ) - 大好きなお話です!完結いつまでも待ってます! (2021年12月30日 16時) (レス) id: 26174ade27 (このIDを非表示/違反報告)
もろ(プロフ) - 由利香さん» 待っていてくださり、本当にありがとうございます。最後まで頑張りますね! (2021年3月8日 22時) (レス) id: 961faf5e6b (このIDを非表示/違反報告)
由利香(プロフ) - 応援しまくります( ; ; ) (2021年2月22日 23時) (レス) id: efc7aaf80d (このIDを非表示/違反報告)
もろ(プロフ) - 雫さん» 本当に優しいお言葉ありがとうございます...!力になります(T_T)必ずこの作品は完結させたいと思っておりますのでこれからもよろしくお願い致します (2020年9月20日 1時) (レス) id: 0e9e1c0fa5 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - お忙しい中更新有り難うございます。伊野尾さんが学生の頃の卒業間近の慌ただしい時を思い出しますね。お話の途中で書くのを辞めてしまわれる方も多い中、書き続けようと思って下さるだけでも嬉しいです。遅くなっても待ってます。就活その他諸々頑張って下さい。 (2020年9月15日 9時) (レス) id: 7c8e159fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もろ | 作成日時:2020年8月29日 20時