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「終わったよ 」
「んふふ、いつもありがとたかぎ 」
そう、『いつも』..._____
慧の一日は高木にブラジャーを付けてもらうところから始まるのが日課だ。
元はといえば中学時代、ブラジャーが嫌いな慧の代わりに高木が付けてあげていたのが気がつけば当たり前の行為になっていたわけだ。
幼い頃から両親共働きで寂しい思いをしていた慧の傍にいたのはいつも高木だった。
互いの家を行き来し、一緒にご飯を食べ、一緒に生活をするのが当たり前になっていた頃には慧は一人でブラジャーを付けることさえもできない面倒くさがりな女子高生になっていた。
そんな一人では何も出来ない慧の世話を高木は毎日欠かさず行っていた。
もう高木にとって慧の家は第二の自宅のようなものだ。
「ほら、慧ちゃん。靴下履かせてあげるから早く制服着てご飯食べないと大ちゃん来るよ 」
「ふわぁぃ... 」
あくびをしながらやっと支度を始める慧を手伝い、朝食を食べ終わる頃に家のチャイムが鳴った。
「おはよー、伊野ちゃんっ! 」
あだ名で慧を呼ぶ元気な声が聞こえる。
慧の友人、有 岡こと大ちゃんだ。
「ほら、大ちゃん来たよ 」
「あと歯磨きだけだからちょっと待っててって言っといてぇ 」
茶碗の白米を一粒残さず食べ終えた慧はのんびり口調で洗面所へと向かう。
相変わらずマイペースだ。
「大ちゃんごめんね、ちょっと待ってて。玄関入ってていいよ 」
「ありがとたかぎッ! 」
「たかき、ね...」
慧の呼び方がうつってしまったのか、呼び方の間違えを訂正するのも疲れた高木は慧がいる洗面所に向かう。
「慧ちゃん、早くしな 」
「もう終わったよぉ 」
タオルで手を拭いてのそのそと玄関に向かう慧にブレザーの上着と鞄を渡す。
「あ、たかぎ 」
「何? 」
「今日は一人で勝手にお風呂入んないでよね。 たかぎの背中は慧が洗うんだから 」
ブレザーを羽織りながら小悪魔のように微笑み、高木にそう言うと慧は大ちゃんと共に家を出た。
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もろ(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます。パスワードは下にヒントがありますのでそれを見て解いてください。どうしてもわからない場合はメッセージでお答えします! (2017年3月28日 14時) (レス) id: 42c5664aeb (このIDを非表示/違反報告)
ひな - パスワードを教えてください これからも頑張ってください (2017年3月28日 12時) (レス) id: 39f411514f (このIDを非表示/違反報告)
wz6ez8eudp4neba(プロフ) - パスワード教えてください!すごくおもしろいです (2017年2月25日 10時) (レス) id: 165d1dc76f (このIDを非表示/違反報告)
もろ(プロフ) - 橙+紫さん» ぜひ出したいと考えています!出せるように更新頑張ります! (2017年2月14日 1時) (レス) id: 42c5664aeb (このIDを非表示/違反報告)
橙+紫(プロフ) - いつも楽しく見させて貰っています。少し質問なのですが圭人君や裕翔君、知念君は出てこないんでしょうか? (2017年2月13日 12時) (レス) id: 1b3b627a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もろ | 作成日時:2017年1月23日 20時