# カエタカエテナイ Ryota Miyadate ページ39
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「 香水変えた？」
デート中、隣の涼太が不意にそんなこと聞いてきた。
正直 びっくりした。
いや 浮気がバレた！とかじゃなくて。
涼太、匂いとかそんなところまで覚えてるんだって。
『 変えてないよ？』
「 え、ウソ 」
『 違う？』
「 なんか 普段の匂いと違うかも 」
『 嫌な匂い？』
「 ううん、俺の匂い 」
『 ふーん...... 』
『 ん？俺の匂い？』
「 うん、俺の匂い 」
俺と同じ匂いする、って手をパタパタさせて
香水の匂いを確認させてくれる涼太。
確かに今日の私の匂いと同じかもしれない。
『 同じの使ってるわけじゃないんだけどなぁ...... 』
「 まあ 男物だからねぇ 」
『 しかも 涼太の借りたわけでもないし 』
「 借りる時は一言くれるもんね、Aは 」
『 しかもしかも 今日香水つけてない 』
「 あらまぁ 」
今朝、準備万端な涼太と反対に 私はバタバタしてて
香水をつけずに出てきてしまったのを忘れていた。
「 ずっと俺と一緒にいるからかな？」
『 え？』
「 家でも 出先でも 俺と一緒にいるから 」
「 俺の匂いになってきてるんじゃないかなって 」
「 それなら 匂い変わっても大歓迎 」
「 他の男が寄ってこないし、俺は 嬉しいし 」
「 これぞ、一石二鳥じゃない？」
嬉しいよ、と軽くおでこにキスを落として
また歩き出してしまった涼太。
この男は こっちがドキドキすることを素で言う。
心臓が何個あっても足りないよ。
「 A？ 置いてっちゃうよ？」
「 どうした？手繋ぐ？」
『 ...... 』
「 訊く前に繋げ ってか？笑 」
困ったちゃんだな と 私の隣まで戻ってきて
ドキドキの余韻の中にいる私の手を引く涼太。
「 ま、そういうところも好きだけど 」
......この人はどれだけドキドキさせたら気が済むんだ！
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# ソメタソメテナイ Daisuke Sakuma→←# キッタキッテナイ Shota Watanabe
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作者名：アンスリウム | 作成日時：2022年6月19日 17時
