【短編集】Imitation (ページ23)

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『らうる、ちゅーは？』

「っ、はい」

『え〜〜 1回だけ？』

「 .........今日はここまで、ねっ？」

『やだ、もっとするもん』

出た。酔うとキス魔になるんですよこの人。

1回して、そのあと追加で3回して。

それでも『もっと』って俺の首に手を回したまま

ぐいと距離を詰めてくる。

「じゃあ、あと3回......っ、ちょ！」

あと3回、と言った途端ゼロ距離になった唇。

しかも今回は1回が超長い。濃厚。

まだ唇離れてないから1回カウントだよね？

うわっ、ディープキスなしにすればよかった！

『んっ、はぁっ』

「はっちょっと、ちょっとまって」

『あとにかいだよ、真都』

Aちゃんの手が俺のシャツの中に入ってきて

最近ちょっと鍛えてる腹筋、胸元の上を滑る。

やめて、やめてよ。

「ねっ、Aちゃんだめ」

『なんで？』

「これ以上は、俺がダメ」

20歳までそういうことはしないでいようね

キスやハグ、手繋ぎぐらいにしておこうねって

付き合うタイミングで約束した俺とAちゃん。

どれだけそういう気分になっても

20歳まではしないって固く誓ってる。

だから、今みたいに危なくなったら

急いで自室に戻って気持ちを落ち着かせてる。

20歳まであと1年。

色々と "お預け"されてる俺の身にもなって！？

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