【短編集】Imitation (ページ3)

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「こっちが、ボトムス」

「でこっちが、下着」

『えっ、下着まで.....！？』

「下着詳しくないから、間違ってるかもだけど」

『いやいやそんなの全然気にしないよ！』

「タグも切ってもらってあるから」

「今着替えてきちゃいな」

膝に手をついて大息をついている蓮くん。

相当急いで買ってきてくれたんだと思う。

急いでトイレに向かって、着替えてから

蓮くんのところへと戻った。

さっきまでの不快感はなくなってサイズもピッタリ。

「やっぱりめっちゃ似合ってる」

『蓮くんさすがだね！』

「まあ Aのことよく見てるから」

照れくさそうに頭を搔いてる蓮くん。

完全無欠に見える蓮くんの可愛い一面を見れるのは

やっぱり彼女の特権なのかなって

そう思って少し嬉しくなった。

「ねえねえ、」

『うん？』

「もし Aが良ければなんだけどさ」

「今日お家デートに変更しない？」

『でも、お買い物はいいの......？』

「買い物は急ぎじゃないからいいよ」

「それに、さ」

「買い物より Aの方が大事でしょ？」

蓮くんといれたらどこでも幸せだから

もちろんお家デートを快諾。

これから蓮くんの運転で蓮くんのお家に向かうらしい。

『蓮くん、』

「うん？」

『本当にありがとう』

「ん？当たり前のことしただけだよ？」

不思議そうに私を見つめる蓮くん。

洋服に下着まで走って買ってきてくれることとか

相手ファーストで動けるところことか

ちゃんと私の気持ちの面まで考えてくれることは

当たり前じゃないのに。

「好きな子に頼られたらいいところ見せたいし」

「好きな子のためならなんでもしたくなるんだよ」

「それってやっぱり当たり前のことじゃない？」

『あぁ、この人が私の彼氏で本当によかった』

そう思った瞬間身体が勝手に動いて

ショッピングモールで人目もはばからずに

蓮くんにぎゅっと抱きついてしまった。

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