【短編集】Imitation (ページ15)

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# 気づいて！ Jesse ページ15

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「っあ～～！！！」

なんか、ウロウロしてる。

大きいなにかがウロウロしてる。

多分ですけど、さっきお風呂から上がった

彼氏のジェシーさんじゃないですかね？

火照った身体でパンイチのまま部屋をウロウロして

「ウィ～！」だの「っあ～！」だの言ってますけど......

どうしちゃったんですかね？

『 ......ジェシーなあに』

「え？」

『え？じゃないよ、構ってほしいんでしょ？』

そーんなことないから！なんて言ってるけど

ちゃっかり私の近くに寄ってきてるあたり

多分図星だったんだと思う。

「なんか言うことない？」

分かりやすい、分かりやすすぎるよジェシー......

胸筋を寄せたり肘を曲げて上腕二頭筋を際立たせたり

挙句の果てには腸腰筋までご丁寧に見せてくれて。

あぁちょっとパンツずらすのやめてください？

夜とはいえか～なり際どいことしてますよ？

『ポージングかっこいいね』

「そこじゃない...... 」

ジェシーは鍛えた身体を褒めてほしいんだよね？

本当は、私だって今すぐにでも頑張って鍛えた

ジェシーの肉体美とその努力を褒めてあげたい。

でもあえて触れないでいた時の

ジェシーのシュンとした顔が可愛くて可愛くて

ちょ～っと意地悪したくなっちゃうんだよね。

「ねえ気づいてるでしょ！ホントは！」

「正直に言って、正直に！！」

『気づいてるよ笑』

「だーーー！！やっぱり！！」

んもー！とハグをしてくる大きい赤ちゃん。

『ごめんね？』と頭を撫でたら「お詫びに褒めて... 」と

遠慮がちにモゴモゴおねだりしてきた。

『鍛えてより一層かっこよくなったね』

『どんなジェシーも好きだけど』

『やっぱり今が一番カッコイイ』

素直に褒められたらちょっと照れちゃうジェシー。

うんともすんとも言わなくなってしまった。

そして少しの沈黙の後、嬉しそうな笑い声が耳元で聞こえた。

それとほぼ同時に抱きしめる腕の力が強くなる。

......ちょっと苦しいですジェシーさん(笑)

「また明日からも筋トレ頑張れちゃう」

「ありがと A 」

『いえいえ～』

鍛えてどれだけかっこよさに磨きがかかっても

「見て！気づいて！」って私に甘えて来ちゃうような

この可愛い内面だけは変わらないで居てほしいな。

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