【短編集】Imitation (ページ12)

今日:36 hit、昨日:47 hit、合計:80,113 hit

# ユラメキ Ryohei Abe ページ12

.
.
(at 夏祭り)

岩「阿部、もう遅い〜！」

深「 3人とも浴衣姿で待っててくれたのよ？」

「ごめんごめん、電車混んじゃってて... 」

岩本くん深澤くんにペシペシ叩かれている彼。

一通り(やさしい)お叱りを受けたところで

私たちに向けても「ごめぇん」と手を合わせていた。

『『『全然大丈夫！』』』

阿部くんが来るまで、心臓バックバクだった。

多分それは隣の二人も一緒、のはず。

深「じゃあ阿部ちゃんも来たし、行きますか！」

岩「早くタピオカ飲みたい〜！」

「みんなすっごいノリノリだね笑」

『浴衣なのによくあんな動けるな...... 』

友達二人は岩本くん深澤くんと一緒、

となると私は必然的に阿部くんと二人きり。

......こういうドキドキを避けるために

みんなで行こう〜！って誘ったんじゃん！！

「浴衣、似合ってるね」

『へっ！？』

「ふふふいいなぁ、俺も着てみたい」

サラッと「似合ってるね」と褒める阿部くん。

驚いて固まってる私をよそに「着てみたい！」なんて

興味津々な様子で私の浴衣を眺めてる。

期待しちゃう。

期待しちゃうけど...

私以外のみんなにもこんなこと言ってるんだ！と

自惚れないよう自分に言い聞かせる。

岩「阿部！Aちゃんも！こっちこっち！」

深「かき氷買っといた〜！」

岩「はい、阿部はメロンね」

「いや、え？もう決まってんの？」

『Aも！阿部くんとお揃いのやつ！』と

友達からメロン味のかき氷を手渡される。

......2人ともしっかり岩本くん深澤くんと同じ

ブルーハワイといちご味のやつ食べてる。

『〜くんと一緒のやつがいい』なんて言ったのかな？

やっぱり二人は積極的にいけて羨ましい。

6人でかき氷を食べながら、この後の予定を立てる。

岩「俺やっぱタピオカ買いに行きたい」

深「俺、射的とかやりたいんだけど」

その言葉に『私もタピオカ飲みたい！』や

『射的、ついていってもいい？』と返す二人。

阿部くんは未だに「どうしよう...」って悩んでる。

私、どうしたらいいの...！？と二人に助けを求めたら

『A なんか案出しな！』という無言の圧を感じた。

.