【短編集】Imitation (ページ2)

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# 当たり前 Ren Meguro ページ2

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(月イチのあいつのお話)

蓮くんと2人で仲良くショッピング中、

“ あいつ ” は突然やってきた。

女性は1度は経験したことがあるであろう

あのどろっとしたものが流れる感覚。

『来ちゃったかも』と途端に冷や汗が出てきた。

『蓮くん、ちょっとお手洗い行ってくるね』

「 OK、じゃあ俺ここで待ってるね」

少し歩いた先にお手洗いを見つけて直行した。

確認してみると、やっぱり月イチのものがきてて。

まだ来てるだけだったら良かったんだけと

感覚がないうちから始まっていたのか

先程の一撃がとんでもなく大量だったのか

履いている黒のデニムが少し汚れてしまっていた。

黒でよかった......いやでもよくないんだよな.......

まだまだお出かけは途中だし

これを伝えたら蓮くんには心配をかけてしまう。

『でもこのままが1番よくないよね』

バッグに常備してあったナプキンをあてて

外で待っていてくれた蓮くんの元に向かう。

「おかえり、」

『あの、蓮くん』

「うん？」

恥ずかしさと申し訳なさで言葉に詰まる。

なんて言えばいいの......

「間違ってたらごめんなんだけど」

「もしかして生理きちゃった？」

『えっ、なんで』

「さっきちょっとだけ顔色良くなかったし」

「そのタイミングでトイレ行きたがるってことは」

「もしかして...と思って」

勘が鋭すぎる。

元々身の回りの人の小さな変化でも

いち早く気づいてくれるタイプだと思ってたけど

ここまでとは思ってもみなかった......

周りのお客さんには聞こえないように

いつもより小声で話しかけてくれているのにも

どこまでできる男性なんだ...と感心してしまう。

「大丈夫？服は汚れてない？」

『ちょっと、下のデニムが...... 』

「じゃあ俺ちょっと買ってくるね」

『え？』

「もしサイズ間違えたらごめん」

『ちょっと、どういうこと？？』

「汚れたままじゃ A 嫌でしょ？」

これ着てて、と羽織っていた大きめのシャツを私に着せて

走って替えの洋服を買いに行ってしまった蓮くん。

ものの5分程度で帰ってきた蓮くんの手には

大きいのと小さいの、2つの紙袋が握られていた。

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