【短編集】Dynamite (ページ9)

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# 夢で会おうね Ren Meguro ページ9

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『っ、！』

今日もだ。

時計を見たらまだ深夜の3時。

寝てから3時間しか経ってないじゃん......

最近、悪夢ばかり見てしまう。

人を殺したり、逆に人に殺されたり

友達からの裏切りや知らない場所で一人ぼっち。

魘されて、起きる。そんな日々。

起きてからも、夢だったってホッとするのと同時に

二度寝してまた悪い夢を見たら......と考えてしまう。

考えてるうちに 10分 20分と時間が経って

いつの間にか1時間が過ぎてしまったり......

「ん、A 起きてるの.....？」

『あごめん、起こしちゃった？』

恋人の蓮。

眠りが深いから滅多なことでは起きないけど

今日はなぜか、起きてしまったらしい。

悪いループが始まる前に起きてくれて

ちょっと安心している自分がいた。

蓮は、起きたばかりだからかぽやぽやしてる。

ぽやぽやしてるけどすぐには目を閉じなかった。

「最近、よく眠れてない？」

『えっ？』

「目の下のクマが、気になる.... 」

「いや、もちろんそれでも可愛いけど」

普段天然だとかおバカだとか言われてるけど

こういう時の蓮の勘の鋭さは異常だ。

嘘をつくのは良くない、しっかり言おう。

『最近、悪い夢ばっかりみるんだ』

「うん」

『魘されて、毎日これくらいの時間に起きるの』

「だからあんまり寝れてなかったのか... 」

数秒何かを考えるような顔をしたあと

蓮はギュッと私の身体を抱き寄せてくれた。

「 A的にはさ、俺が夢に出たら幸せ？」

『いい夢だったらね...？』

「じゃあさ目閉じて、俺のことだけ考えて」

「そしたら俺の夢みれるでしょ」

抱きしめる腕の力が強まる。

もはや力強すぎて苦しいレベルだけど

それだけ蓮からの愛が伝わってきて嬉しかった。

「それに、夢ん中だろうと」

「俺は Aを悲しませたりしないから」

おやすみ、と頭にキスをしてくれたから

ハグの安心感と相まってその日はすぐに眠れた。

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