【短編集】Dynamite (ページ7)

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# 牽制 Hikaru Iwamoto ページ7

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「 A、」

『えっ』

「迎えに来た」

サングラスにオールバック。

柄シャツとジャラジャラブレスレット。

左耳にはピアスが4つも付いてる。

そんないかつめな男が車高高いタイプの

ゴツイ車乗ってたらみんなビビっちゃうよ。

しかもここ大学の前！！！

そんなんで威圧してどうすんの！！！

【イカツ........ 】

《あれが噂の...？》

『そう....... 』

ほら、いつも一緒にいる友達二人も結構引いてる。

友達を巻き込む訳にはいかないので

その場で二人には別れを告げてから

(周りの目も気になるので) 急いで車に向かう。

『ちょっと』

「ん？」

『ん？じゃないよ、』

『こんな格好して来ないでよお兄ちゃん！』

運転席のイカついお兄さんは

私の歳の離れた兄、照。

巷で言う「シスコン」なんだけど

それを本人に言うと確実に拗ねちゃうから

「過保護なお兄ちゃん」ってことにしてる。

「だって、Aに変な男が付いたらやじゃん？」

『大丈夫だよ、今日だって女の子といたし』

「今日はね？」

「いつ男が寄ってくるかはわかんないから」

お兄ちゃんは心配なんだよ、Aがと

信号待ちの間に私の頭を優しく撫でるお兄ちゃん。

「俺が来なかったら来なかったで寂しいでしょ？」

『まあ、それは、そうかも......？』

「ほら〜、Aだってブラコンなんじゃない？」

『それは違うから！！！』

「あーはいはい、拗ねないの笑」

お兄ちゃんがシスコンだとは思ってたけど、

やっぱり同じ血が流れてるだけある。

私も実はブラコンだったらしい。

「いや、気づくの遅いからね？」

『えっ』

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