【短編集】Dynamite (ページ42)

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# 天邪鬼 Shota Watanabe ページ42

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「なんで拗ねてんの」

『わかんないの？』

「わかるわけねぇじゃん」

「テレパシー使えねぇし、俺」

『だーーー！もうそういうところだよ！』

さっきからブランケットに包まって

ソファーの上でダンゴムシ状態のA。

なにカリカリしてんの。

ブランケットのせいで声こもって聞こえるし

どんな顔してるかもわかんねーよ。

『しょーたずっとツンツンじゃん！』

「はぁ？」

『ほら！はぁ？とかフツー彼女に言わないもん！』

「いや、俺ずっとこうじゃん」

『そうだけど！ツンの割合が多すぎる！』

『 98:2くらいの割合でツン多めだよ』

まあ、心当たりがないわけではないかな......

Aが素直に甘えてくれても

ツンツンして受け流してることが多いし、

俺から甘えるなんてことはまず無い。

だってハズいじゃん。

「で、なに？どうしてほしいの？」

『たまにはデレを見せなさいよ！って話！』

「いや嫌だよ」

『じゃあ私ずっと拗ねたまんまだよ？』

「はぁ、それはもっと嫌」

今の俺の心の中の話していい？

面倒臭いな〜という俺ももちろんいるんだけど

たまにはそういう俺を見せてもいいかな？と

案外ノリノリな俺もいるんだよね。

ウケんだけど。新たな俺じゃん。

「見せてあげるから」

「とりあえずブランケットから出てきな」

じゃないと見えないよ？と背中をポンポンしたら

素直に出てきてくれたA。

でも目は合わせてくれないらしい。

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