【短編集】Dynamite (ページ41)

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# よしよし Taiga Kyomoto ページ41

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「おかえり、お疲れ様」

『ッ、大我...... 』

「 A？」

普段滅多に泣かない彼女が

帰ってきた途端玄関で泣き崩れてしまった。

本当にびっくりした。

こんな姿、見たこと無かったから。

「立てる？リビングまで行けそう？」

『うん、』

Aがソファに向かっている間に、

ぱぱっと二人分の紅茶を淹れる。

「どうぞ」とAに差し出したら

鼻声でありがとうと返ってきた。

「何があったか話せる？」

「嫌だったら、全然話さなくていいんだけど」

『んー、実はね... 』

Aが泣いてたのは、お仕事が原因らしい。

上司の理不尽、必要以上の叱責、周りの対応

などなど...って感じ。

話を聞いただけでも腹が立った。

『こんなコテンパンにされたの初めてだったから』

『ちょっと泣いちゃった、ごめんね』

「 Aは悪くないよ」

「だから謝らないで」

泣くのは悪いことじゃない。

泣いて吐き出して、気持ちを切り替えられるなら

むしろ泣いた方がいいまであると思う。

(てか謝るべきなのは理不尽上司じゃない！？)

「それにさ、A いつも頑張ってるもん」

「中間管理職って大変なんでしょ？」

「樹が言ってた気がする」

「お家でも仕事持って帰って頑張ってたもんね」

「俺はちゃんと見てるよ」

『ありがと、嬉しい』

「ありゃ！俺、泣かせちゃった？」

また泣き始めちゃったA。

でも今度は泣いてるけど、笑顔だ。

Aは、そうこなくっちゃね！

あ、でも...

" たまには弱い部分も見せていいんだよ "

そう心で唱えながら Aをぎゅっと抱きしめた。

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