放課後の寄り道 ページ20
A「いいかげんにして！」
私はそう言って、2人の持つ包丁を没収した。
悟「おい！勝手に取るな…いてっ！！」
傑「くそっ…また目が…」
2人は目を抑えて、騒ぎながら走り回り始めた。
何をやってるんだ本当に…
悟「痛い痛い痛い！！」
傑「目が…目が潰れる！！」
A「バカ…もう2人ともそこで座ってて。」
そう言って、2人は私の後ろに座らせ
私は料理の続きをした。
その後もしばらく2人は
目が痛いとずっと騒いでいた。
そんな中私は、その光景が微笑ましくて
1人でこっそり笑いながら料理をしていた。
悟「そういや、Aは
いつから弟と2人なの？」
傑「おい悟…！」
A「いいよ傑君。気を使わなくて。
2人になったのは一年前。
父と3人で暮らしていたんだけど
ある日家に帰ったら
悲惨な状態で亡くなってたの。
母は、もっと前に家出したきり
帰ってこない。」
悟「…そっか。」
傑「お母さんは、何故家出を？」
A「暴力…かな。
父が、母によく暴力を振っていたんだ。
私もそれを止めるために仲介に入ったけど
同じように殴られて終わりだった。
そういうのが、全部嫌になったんだと思う。」
悟「そりゃひでえな…」
傑「……。」
A「ははは…でも父が死んだ今は
だいぶ落ち着いてて
薫とゆっくり暮らしてる。
また新しい環境になろうとしてて
少し不安だけど…薫はすごく幸せそう。
だから、いい方向に
進んでるんじゃないかなって思ってる。」
悟「Aは？」
A「え？」
傑「Aは幸せか？」
A「私…？」
悟「心配しなくても
俺らが弟も、Aも守ってやるよ〜」
傑「弟の為だけじゃなくて
Aは自分の幸せの為に、生きないと。」
A「…自分の幸せか」
昔から、父親から母を守らなきゃ
薫を守らなきゃって…
母が家出をしてからも
母に向いていた暴力の矛先が私に向いても
絶対に弟には触れさせまいと、耐えた。
自分で何とかしなきゃいけないと思ってたし
自分の為に生きるとか…考えたこともなかった。
A「今、幸せかも。」
私は2人の方を振り向き
ちゃんと目を見て伝えた。
そんな優しい事を言ってくれる友達がいて
私は本当に幸せ者だ。
悟・傑「それはよかった！」
そう言って2人は声を揃えて微笑んだ。
無色だった私の人生に
微かな青色が色づいた気がした。
傑「よし、手伝うか！」
悟「おう！」
A「じゃあ3人でハンバーグをこねようか！」
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鈴(プロフ) - 特級が特急になっててとても速そうな呪霊になってます。 (10月28日 16時) (
レス) @page9 id: 79bb132620 (このIDを非表示/違反報告)
葉っぱ - 硝子が梢子になってます。 (10月13日 5時) (レス) id: 1862bc29bb (このIDを非表示/違反報告)
音(プロフ) - めるるさん» 教えていただきありがとうございます🙇♂️ (10月11日 19時) (レス) id: 46806aece3 (このIDを非表示/違反報告)
音(プロフ) - 紫月ととさん» 教えていただきありがとうございます🙇♂️ (10月11日 19時) (レス) id: 46806aece3 (このIDを非表示/違反報告)
紫月とと - オリフラ立っちゃってます🙇♂️ (10月11日 18時) (レス) id: 825ca3aced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音 | 作成日時：2023年9月28日 11時
