第45話:貴方と私とホイールと ページ46
「A……おい、A!」
『……っ』
揺すられながら何度も名前を呼ばれ、Aはうっすらと目を開けた。薄暗い視界の中、必死な顔をしている赤井が目の前に見える。
『秀さん!?……って、ここ何処？』
「！……目を覚ましたか……ハァ、よかった」
赤井は心底安心したように息を吐いた。Aはそれに構わず辺りを見れば、ふと自分の帽子が無くなっていることに気づいた。どこかに飛ばされてしまったのだろうか。
現在Aは赤井に両手で抱き上げられていた。周りでは夜空の下で大勢の悲鳴が飛び交い、瓦礫の崩れる音と一緒に、暴風と同時に粉塵が巻き上がる。まさに阿鼻叫喚である。が、そんなことはどうでもいい。
『(そっか、あの時私……)』
Aは気絶する前のことを思い出した。足場から落下し、彼にキャッチされたのは覚えているが……さっきまでいたのは観覧車の内部だ。外に出た覚えはない。
可能性があるとすればただ一つ。
『ま……まさか車軸の爆発で、私と秀さんがいたこっちのホイールだけ脱輪して……現在絶賛回転中なんて事が起こってる訳ないですよね!?』
「もちろんそのまさかだ、それより……
何故あの時さっさと安室君と一緒に逃げなかったんだ！一歩間違えれば死んでいたかもしれないんだぞ！！」
突然叱責を受けたAはビクッと肩を跳ねさせた。……が、文句ありげな様子で眉をしかめ、負けじと声を張り上げた。
『……その言葉ねぇ、そぉっくりそのままお返ししますよ！！！
あの状況で応答にも反応せず、危険と判断して離れようともしなかった秀さんにだけは言われたくないですね！！貴方の方こそ逃げようと思わなかったんですか！？私の声が聞こえなかったとは言わせませんよ、通信機はついてたんですからね！』
「…ホォ」
脱輪したホイールの上で口喧嘩をし始めるのは実に滑稽である。
「…なるほど……そうか、つまりは俺のせいだな……すまない。ヤツらを何とか食い止めようと焦っていた」
Aに的確に論破され赤井は尻込みしたように弁解を始めた。突然の謝罪に驚いたAはぎょっとして赤井を見た。
「またお前を危険に晒してしまったな…」
『そっ、そういう嫌味で言ったわけじゃないんですよ！？それに毎度の事ですし、さっきのだって、目立った怪我したわけじゃないですし……ッホラ！』
Aはパッと赤井から離れ、自分でホイールの上のレールに着地した。服や顔は少々汚れ、かすり傷だらけだが、いつも通りのAだった。
(……あ゛っ通信機がない!?どっか落ちたのかな)
(む、俺も失くした……)
閲覧ありがとうございました。
残念ながらバイトの夢主に労災保険はおりません。笑うところです
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緑那(プロフ) - さくらさん» ヒュ〜〜〜〜〜〜〜〜全裸待機 (2018年11月2日 7時) (
レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 緑那さん» ウレジイ〜！！！！！！！！りょくぴあいしてる新しいのもちのロンカクシ今までの今度まとめて載せとくわｳｫｲｪｲ (2018年11月1日 13時) (レス) id: f18f805e19 (このIDを非表示/違反報告)
緑那(プロフ) - 東都水族館の制服着た神崎さん想像するだけでもう頬が！！！頬が！！！！今度かいて！！！！！ (2018年10月31日 6時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - まぁさん» わ〜〜ありがとうございます〜！！！！バリバリと書いて参ります！！ (2018年8月26日 22時) (レス) id: f18f805e19 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - なるほどです(*´ω｀*)ありがとうございました。楽しみにして居るのでこれからも頑張って下さい 。 (2018年8月26日 22時) (レス) id: bc142c419e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2018年4月28日 11時
