【名探偵コナン】自宅にカチコミされるとか聞いてない【ギャグ/赤井秀一】

#507 ページ31

「あれ――これ、このブローチの映像入ってないじゃん。あとから解析するの？」
「えっあっ、ま、まあな！」


　疑問に思ったのはコナンくんの背後で未だ稼働している液晶画面の数々。リビングや玄関のあらゆる角度から撮影されている映像は見えるけど、ブローチの視界から見えるであろうこの部屋やコナンくん、私の姿なんかはどの画面にも見当たらなかった。


「じゃあ、ここ置いとくね」


　最後にもう一度ブローチを見回し、ため息を一つ。

　秀さん、いつ帰ってくるかな。今夜？流石に日付は変わっちゃうかな……でも約束したし、まずはご飯作らないと！
　ご飯作って、テーブルに用意して、それで――


「……早く、会いたいな」


　ブローチを眺めて、ポツリと呟く。
　そうしてカメラを伏せるように裏返してからテーブルに置いた後、私は背を向けてキッチンへと向かった。


(こ、この映像だけ赤井さんのスマホにそのまま映るようにしてたとか……言えねえ〜……)

――
「……」
「さて、着いたわよシュウ……シュウ？」


　助手席のジョディがルームミラーを見て、訝しげに振り返った。後部座席に座っている赤井は自身の携帯を片手に何かを眺めている。


「ねえ、さっきからずっと見てたみたいだけど……何を見ていたの？そんな真剣に――」
「赤井さーーーん！！！」


　キャメル達が車を止めた場所は、日本に滞在しているFBI捜査官達の拠点。そこの入り口から砂煙を上げ、猛スピードで迫り来る人影が赤井に話しかけてきた。

　それに気がついた赤井はワイヤレスのイヤホンを外し、携帯の画面もオフにする。


「無事の御帰還おめでとうございまーーーっっっす！！！！！」
「ああ、後藤君か……すぐに帰る。車を出してくれ」
「あ、じゃ俺ツラ割れてない車だしてきますっ！」
「事故るなよ」
「へへっ、合点承知」


　駐車場の奥に置かれた車に向かい、後藤が一目散に駆けていく。車のドアを閉めた赤井は、状況が飲み込めていないジョディとキャメルの方を振り返った。


「じゃあ詳しい事は後日で頼む」
「あ、赤井さん⁉︎」
「ちょっ、やっと姿を見せたと思ったら何勝手なこと言ってんのよシュウ!?せめてジェイムズには報告を、」
「前もって伝えてある」
「後で俺が補っときますって！」


　赤井の目の前で別の車が停車し、運転席からひょっこり顔を出した後藤がのほほんと「赤井さんどうぞ〜」と言ってのける。


(悪いが急いでるんでな)
(だから、何をよ！)
(晩飯)
(ハァ⁇)

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2023/06/11

気づいたら時間飛んでやがる

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