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「ひゃ、っ」
ベルツリーの入口付近で停車する。Aが猛スピードからの急ブレーキの反動に身構えた時、それを庇うように沖矢は手を伸ばした。
「大丈夫か?なるべく負担がかからないようにはしたんだが」
「ししし心臓の方は手遅れ気味ですけど体の方は何とも……え、もう着いてる!?」
というか真純ちゃんもバイク運転こんな感じじゃなかった??そういう所血の繋がり関係あったりするんかな
「……何かあったら浅草スカイコートが見える位置まで来い。どうにかする」
「どうにかって……まあ確かに昴さんなら出来ちゃいそうな気はしますけど」
「ああ。お前のことは、絶対に俺が守る」
「!」
ピ、と小さな機械音。全く違う声が聞こえた。耳に良く馴染んだ声だったから、それ自体に驚いたりはしなかった。
「──んふ、」
沈黙を破ったのは、小さな笑い声だった。
「……まさか冗談と思ってるんじゃないだろうな」
「違いますよ。やっぱり兄妹なんだなあって思って、つい……ふ、ふふふ」
だって真純ちゃんの言葉とほぼ同じだったから。完璧な不意打ち食らったせいで、こんな状況なのについ笑ってしまった。いや嬉しいけどね。
昴さんは(何故か)不満げな顔だったけど、ひとしきり笑ったお陰で緊張感はサッパリ無くなった。
「じゃ行ってきますね!貴方のこと、全力で信じてますから」
「……ああ」
Aが車を出た後、上空に伸びるベルツリーを睨んだ。
本人に行く意思や理由があったとしても、危険な場所に送り込んだことに変わりはない。Aの傍にいられない自分の状況には、やはり憤りを覚える。
「(──だからこそこれ以上、彼女を傷つけさせはしない)」
決意を新たに、ハンドルを静かに握り直した。
──
「──てなわけで死神ィ!今どこぉ!?」
『この状況でそのあだ名使うか!?』
「じゃ新一くn」
『なお悪い!!』
えー只今ベルツリーエレベーター内からお送りしております、つまるところ突撃★お次の犯行現場ってワケ!!
余談だけど入る時は受付の人の目の前で園子に電話かけたら即OKだった。相変わらずのチート級財閥パス、非常に助かるね。
『んでオメーはベルツリーにいるんだな?』
「うん。蘭達の避難は任せて!」
『悪ぃな……今ジョディ先生に連絡するから!』
なんと彼も同タイミングで犯人と謎を見抜いていたらしい。話が進むのはエレベーターの速度よりもずっと早かった。
(そだ!先生達、私のボディガードか保護者って事にしてもらお。すぐ通してくれるよ)
(確かにそれなら話が早いな……伝えとく!)
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夜鷹紫苑 - すげぇ、返しがプロってる (5月18日 1時) (レス) id: ae0632c942 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(ふぶきち)(プロフ) - やよい@サブ垢さん» 心停止報告大変助かりますありがとう安らかに…… (2021年11月30日 3時) (レス) id: a531cb8ac0 (このIDを非表示/違反報告)
やよい@サブ垢(プロフ) - ヴッ………(心肺停止)好きすぎて軽く鼻血が……(((( (2021年11月29日 21時) (レス) id: bc461f0e02 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(ふぶきち)(プロフ) - うさぎはっちさん» お疲れ様ですありがとうございます!ギャグだから許される文法なのでよく使ってますね!わかる人がニヤ…する程度でチマチマ小ネタ挟んでるので気づいてもらえると仕込んだ側としてもニヤリしちゃいますね…(私の全部受け止めて…) (2021年10月30日 1時) (レス) id: 8478d38e5a (このIDを非表示/違反報告)
さくら(ふぶきち)(プロフ) - たこやきさん» したり、でも公式台詞コピペはなるべく避けたかったので「まあギャグだし多少はええやろ」という傲慢な暴走含めておりますが本当に楽しいです。エッ イチバン 言質取っていいですか??(ボイスレコーダーを構える絵文字) クソ長キモリプ大変失礼致しました感謝…! (2021年10月30日 1時) (レス) id: 8478d38e5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2021年7月26日 19時