【名探偵コナン】最強狙撃手決定戦とか聞いてない【ギャグ/赤井秀一】

#10 ページ11

「クソッ！追うよ、つかまって！」
「えﾞッ」
「いや、これ以上刺激するのは危険だよ」
「そそそうだよねそうだよねそうだよね」


　Aは隠す素振りもなく嫌そうな声を上げ、全力でコナンの意見に賛同する。追跡に消極的なのは明らかだった。


「大丈夫。行き先はすぐにわかるから」
「アンタねぇ……」


　ガックリと肩を落とし、メガネを構えるコナンを睨みつける。いや追いかけるのは変わんないんかい！！そんなの何も大丈夫じゃないよ問題だよ、というか問題しかないよ。


「コナンくん、真純ちゃん。犯人は拳銃だけじゃなくて手榴弾とか持ってたんだよ？ホイホイ覗きに行って何とかなるものじゃ……」
「だけど、僕達だけでも追いかけないと」
「パトカーはあんな状態で、今ほとんど動かせない。このままだと逃げられちゃうかもしれないんだ」
「うっ、それらも最もなご意見なんですけども……」


　無闇に深追いすると更に酷いことになるんじゃという気持ちは、どうしても拭えない。それでも、こんな真昼間の街中でド派手にやらかす犯人なんか野放しにしておける筈が無いという気持ちも確かにあった。


「──ハア、しょうがない！」
「！じゃあ……」


　嫌がるように仰け反っていた姿勢から一転、Aは再び世良とコナンに腕を回す。


「バイクで追いかけるのは逃げ込んだ場所が確定するまで！そしたら私が通報する。あと万が一見つけても、無闇に接近したりとかの危ない事はしないこと！」
「「はあーい」」


　渋々と了承をしたAを見て微笑んだ二人は、元気よく返事をした。
　……何だこのほのぼの感は？遠足か……？？(残念犯人の追跡です)


──

「──止まった！」
「おっけ、通報するね」


　それからコナンがナビをする通りに進んでいくと、湾の一角……その中の倉庫街に出た。携帯を取りだしたAは予定通り110番に繋げる。


「……はい、友達からパトカーに追いかけられてるバイクを見たって聞いて、丁度それに似たバイクが単独で東京湾の方に入っていくのが……」


　ま〜流石に“小学生がつけた発信機で犯人を追ってますなう”なんて言っても信じて貰えないから！情報ある程度はねじ曲げてお送りしてます！仕方ないね！


「(あとなんか背後から車で尾行されてるような気がするんだけど……いや気にしたら負けだ……)」


　携帯をしまうと、丁度二人が話している声が耳に入る。追跡を続行する気満々のようだった。コイツら私の話聞いてたんか？？


(チョットお二人さァ〜ん？？？)
(か……確認するだけだからな、なっ？)

#11→←#9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す