【名探偵コナン】最強狙撃手決定戦とか聞いてない【ギャグ/赤井秀一】

#19:2件目 ページ20

「(ィヤーーーッッ！！！？)」


　目の前には、ヒビの入ったフロントガラス。
　そして血まみれになった運転手と座席。
　この光景が視界にバッチリ入ってしまった私の顔面は真っ青になっていることだろう。

　★前話までのあらすじィ！★
　本人確認をしようとしたタイミングで家から車が出てきた！
　慌てて皆で駆け寄った瞬間、運転手がどっかから撃たれて御臨終！以上！！どう足掻いても大惨事ッ！！


「マズい、逃げろっ！」


　GOITAIが弾みでアクセルを踏み込んだらしく、暴走を始める自動車。


　──ガシャアンッ！！


　突進したのを何とか避けたと思った瞬間ガードレールに激突し、黒煙を上げて停止した。


「……ﾊﾜ……」
「クソッ！」


　完全に思考停止してフリーズしているA。それを他所に探偵二人は弾痕の位置を確認し、狙撃現場の特定を図る。


「……ハッ！」


　呼吸も忘れかけていたAは冷静さを取り戻し、慌てて携帯を取り出した。


「(“狙撃”ってことは……殺されたのは間違いなくターゲット！警察に通報、いや高木刑事にメールしよう。そっちの方が話が早い)」


　ターゲットの住所や現状を説明するメールを作成し、それを送信する。携帯をしまう頃には世良とコナンはバイクに向かって駆け出していた。


「A行こう！」
「うん！」

──

「狙撃場所と考えられるのは二箇所！どっちだと思う！？」
「高い方に賭ける！」


　前日と同じくヘルメットを被った世良とAの間に挟まるコナンは、少し先の二つの高層ビルを見る。世良も同じようにビルに視線を向けた。


「ま……待って！」
「ん？」
「い、一応両方調べた方がいいよ！可能性は０じゃないんだし」


　Aは慌ただしく言葉を並べ立て、断定はせず候補に残しておくよう提案する。


「そうかあ？」
「分かった、ボクはAの言うことちゃんと聞くよ。昨日危なかったしね」
「(ホッ……)」


　二人が突っ走っていかないよう、どっちか一人でも安全な方に行ってもらうのが最適。また昨日みたいな事になったら私がどうにかして二人を守らないと……！


「……高い方、ここじゃないか？」


　高さ120メートルほどの高層ビルの前で世良がそう呟いた。交差点の赤信号でバイクが停車する。
　その瞬間スルリとコナンが飛び降り、そのビルめがけて走っていった。


「コナン君！？一人で行ったらヤバイって！」


　世良の声を無視して突き進むコナン。Aはバイクから降り、それを追いかけた。


(……私が一緒に行く！真純ちゃんはもう一箇所の方お願い)
(分かった！)

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