【名探偵コナン】最強狙撃手決定戦とか聞いてない【ギャグ/赤井秀一】

#1:典型的な前フリ ページ2

「秀さんって、狙撃手(スナイパー)なんですよねえ」


　テレビのザッピングをしながらおもむろに問いかけるA。ソファーに向かう途中の沖矢は、一瞬歩みを止めた。


「なんだ薮から棒に」
「や〜前にジェイムズさんが言ってたの思い出して……狙撃ってどういうものかあんまり知らないから、ちょっと気になったんです」


　ボタンを押し続け、とあるワイドショーで手を止める。【オープニングセレモニー直前！ベルツリータワー特集！】というタイトルだった。


「フム……距離が離れている方が難易度が上がるというのは基礎的な話だな。角度や風速、銃弾の質量、天候……それら全てを計算し決して悟られないように獲物を狩り取る、それが狙撃だ」
「ナルホドスゴイデスネ」
「……実例から説明するか？この町でも何度か撃ったからな」
「見知った場所が狙撃現場だったとか聞きたくないのでお断りします！！」


　はい、折角の劇場版にも関わらず初っ端からド平和日常を謳歌しておりま〜〜すつい最近夏休みに突入したAです☆え？平和要素が薄い？会話が物騒？しょうがないね。話題が悪いね。


「じゃ……あのベルツリータワー！……にいる人を狙うなら、どの辺からにします？」
「初っ端でそんな難度の高い場所を指示するのか。無茶な指示は部下に嫌われるぞ、ボス」
「誰がボスですって！？」


　沖矢はフッと笑ったかと思うと、ベルツリータワー近辺を映すテレビを見た。様々なビルが出ている中、ほとんど間を置かずに口を開く。
　

「ターゲットが第１展望台ならあのビル、さらに上なら浅草スカイコートだな」
「え早ッ！？てか何処」
「まあそうなるとは思っていた……これを見ろ」


　タブレットを取り出し、マップを開く。ベルツリータワーを中心に近辺の地図が表示された。
　Aが距離を詰め、二人の間のタブレットを食い入るように見つめている。画面はそれぞれのビルの写真に切り替わった。


「最初に言ったのがこのガラス張りのビル。浅草スカイコートが……これだ」
「おお〜！」


　2ヶ所ともタワーからは距離があるように見えるけど……待って、高低差も考えないといけないんだった。あれ？思いつきで言ったけどこの狙撃かなりハードでは？？


「もしかして、秀さんてかなり凄腕の狙撃手なんじゃ……」
「言うだけなら簡単だろ。やってみれば早いが」
「いやどんな状況？？」
「冗談だ」


(んじゃ、明日はその2ヶ所警戒しときますよ冗談ですけど)
(……何故そんなことを？)
(ん？行くんですよ。ベルツリータワー)

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