蝶の舞う呪い5【呪術廻戦】

第82話 地獄へ ページ21

『(この子は街へ降ろす)』





子供の場所を隠すように、蝶を大量に作り出す


自分の事は二の次だ







＿＿＿ﾁﾘｰﾝ




＿＿＿＿＿ｼｬﾝｼｬﾝｯ





Aの背後の方にあるのが街だ



蝶は少女を身で隠しAの背後に素早く飛んで行く




少女は無事に助かるだろう

街に降りれば誰かが彼女を助けてくれる






問題は









『……』






夏油「猿の運送は終わったかな？」



『えぇ、十分に。』






これからA自身がどう行動するかだ









夏油「じゃ、頼むよ

私は残穢を残せないからね


あ、大きな怪我はさせないでくれ


血痕が残るのは少々面倒だ」






漏瑚「ｹｯ…人使いの荒い奴だ」



夏油「君達は呪いだろう」





Aの前で何やら話をしている夏油と呪霊達



夏油は呪霊に声をかけ

呪霊はそれに応えて彼よりも一歩前へ出た



どうやら夏油は戦わず、


呪霊達が相手をするようだ





…だがどの道、彼女にとっては圧倒的不利である







漏瑚「わしらの目的の為に

お前には犠牲になってもらう」





花御「前回はしくじりましたが…


＿＿＿＿＿＿＿今回は逃がしませんよ」






前に出たのは漏瑚と花御


陀艮は前線に出ないようだ




風がAの髪を揺らした時、漏瑚が動き出した







ﾄﾞｺﾞｯ








『っ、(速い…！！)』






一気に間合いを詰めてきた漏瑚


Aは柔らかい体を反らし躱そうと試みるが

その速さには追い付けず


腹部に重い一撃が入った





反動で吹っ飛ぶ体を蝶が支えてセーブする





だが、体制を整える暇など与えず

眼前には再び拳が





ｺﾞｽｯ









『ｯｸﾞ､ふ…っ"、！』







綺麗な顔面に一撃


グラりと頭が、意識が揺れる




周囲にいた蝶が音を大きく鳴らし漏瑚に突進していく



怒りの篭もる強い攻撃だが、

特級相手にはあまり効果的ではない







『(身を守るほうを優先した方がいい…？

いや、守ったところでそもそも勝てないし…)』






チカチカと点滅する視界を何とか保ちながら

Aは考える


といっても、先程の頭への一撃であまり頭が回らない




特級2体相手に勝算があるとも考えにくい







漏瑚は続けて攻撃を仕掛けてくる


熱い炎をAに向けた







『ｯはぁ…っ』





その炎を見てAは構えた


両手、指を合わせて名(・)を呼んだ









『"酔羽水鞠(すいはみまり) 波(なみ )の綾(あや)"』

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