蝶の舞う呪い4【呪術廻戦】

第65話 帰郷と主 ページ8

ｻﾞｯ







ｻﾞｯ








ﾁｭﾝﾁｭﾝｯ






東京という都会から離れた田舎町



場所は"広島"





そこを1人歩くAの足音が響く





田んぼがあるほど田舎でもないが

店も人口も少なく


都会に比べ空気も綺麗に感じられる







Aはやけに入り組んだ道を


右に、左にと何度も足の向きを変えて進んで行く





彼女は数分間その行動を繰り返し

ある場所で足を止めた







足を止めた彼女の目の前には大きな門







"八脚門"



はっきゃくもん、又はやつあしもんと呼ばれる

寺院などに使われる正門



門戸の左右にそれぞれ一間ずつ追加され

三間で門柱が４本ある門



４本の門柱の前後に

控柱が計８本あることから


「八脚門」と呼ばれ


「仁王門」と呼ばれる門でも


建築様式は八脚門から楼門まで多様だ







＿＿＿ﾁﾘｰﾝｯ






Aがその大きな門を見上げていれば

体から複数の蝶が現れ







ｷﾞｲｨｨ…




重たい扉を押して向こうまでの道を作り出した








『ありがとう』






＿＿＿ｼｬﾝｼｬﾝｯ





＿＿ﾁﾘｰﾝｯ




Aが礼を言うと嬉しそうに周囲を飛んで

先程のように体の中へ戻る







彼女はその門の奥へ歩みを進め





静かに口を開く









『今帰った』








さほど大きくない無機質な声




それでも透き通ったその声は屋敷の敷地でよく響く






Aが口を閉じ、

言葉の余韻が聴こえなくなってすぐ







至る所から


髪型、身長、服装が全て同じ


まるでドッペルゲンガーのような人々が

数秒もかからず一瞬で周りへ現れる




男は真ん中分け、

女は髪を一つに束ね上に纏められ


目には同じ模様が書かれた包帯が巻かれている






「お待ちしておりました

お怪我も御病気もなくご壮健で何よりでございます


益々の御多幸を切にお祈り申し上げます


皆(みな)、貴方様の帰りを

今か今かと待ち侘び日々を過ごして参りました」






「「「お帰りなさいませA様」」」








現在地:広島県＿＿？？市＿？区


〔〒×？×‐××？？〕



＿？？＿？丁目


＿？＿？？？山 山中 ？？









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蝶狐家

本家



蝶狐家現当主 蝶狐A

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