蝶の舞う呪い【呪術廻戦】 (ページ36)

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「ほら頑張れ頑張れ」

宿儺は特級を踏み付け

そのまま橋を崩壊させて特級ごと落下する

Aも同じ橋の上にいたものの

宿儺に降ろされた位置から少し距離があり

多少の振動が来るだけで無傷だ

『(踏んづけただけて床壊すとか、

両面宿儺は本当に力がどれほどなのか分からない

少なくとも私達が苦労したあの特級よりも何倍も強い

…それに、本当に私を殺すつもりがないの？

壊した位置も私には害がない場所、

さっきだって私を抱えて特級の攻撃を防いでた)』

Aはまだ力が入らない足を引きずりながら

這いずる様に体を動かして

下に落下していった特級と両面宿儺を見下ろす

宿儺「呪霊といえど腕は惜しいか？」

宿儺はいつの間にか

特級の腕を切っていたらしく

落下する瓦礫に乗りながら

それを手にして

楽しそうに笑っている

＿＿ﾁﾘｰﾝ

＿ｼｬﾝｼｬﾝｯ

様子を見守るAの体から蝶が出てくる

傷だらけの彼女の体を心配しているようだ

『大丈夫、ありがとう』

＿＿ﾁﾘﾝ!

＿＿＿ｼｬｰﾝｼｬﾝ

宿儺「(…ふむ、やはり興味深い

あれはただの式神ではないな

術師である蝶狐(アイツ)は

今指示を出してはいなかった

術師本人ではなく式神の意思で外に出てきている)」

蝶の羽音に反応した宿儺が

上を見上げてAに視線をやる

宿儺が彼女の式神について考えている間

Aは蝶を肩に止めて声をかけていた

宿儺「…手っ取り早く済ませよう

俺はさっさと蝶狐(小娘)と"遊びたいんだ"」

そう言って

四肢をもがれ柱に埋められた特級に向き直る

宿儺「我々は共に

"特級"という等級に分類されるらしい

俺と…虫(オマエ)がだぞ？」

「ﾌｰｯﾌｰｯ」

ﾎﾞｺﾞﾎﾞｺﾞｯﾎﾞｺﾞｺﾞｯ

特級は壁から何とか抜け出し

四肢を再生して満足そうに笑う

宿儺「嬉しそうだな、褒めてやろうか？

だが、呪力による治癒は

人間と違い呪霊にとってそう難しいことではないぞ

お前も小僧も、

呪いのなんたるかをまるで分かっていないな」

宿儺「いい機会だ、教えてやる

＿＿＿本物の呪術というものを」