蝶の舞う呪い【呪術廻戦】 (ページ11)

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花ページ11

『…両面宿儺の器…ね、』

Aが同期に蝶を飛ばしたあの日

向こうに向かった五条から

「両面宿儺の器」

となる男が現れたとAにも伝えられた

そして彼は勿論、上から危険だと言われ

すぐ殺すように喚きたてられていたようだが

五条の説得(脅迫)で

なんとか執行猶予付きの死刑になったらしい

『面白いね、』

そう呟きながら足にすり寄ってきた

茶トラの野良猫を撫でる

猫は嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らして

ベンチに座るAの膝の上に飛び乗った

現在Aがいる場所は

東京都渋谷区にある公園のバラ園

数日の任務が続いていた彼女には

少しの休みが与えられていた

まぁしかし今日は休みといっても

伏黒以外の新しい1年2人と顔合わせがある為

誰かのせいで

無駄に足の露出が高くなった制服をきちんと着て

五条に今居る場所だけ伝え

この公園内で後を着いてきたこの猫と戯れたり

花の近くを舞う蝶と遊んだりと

のんびりと過ごして待っていた

「にゃ～」

Aがぼんやりと先程から

自分の周りを飛びまわる公園の蝶を眺めていると

いつの間にか猫を撫でる手が

止まってしまっていたらしく

また撫でてくれと催促するように猫がひと鳴きした

『…今日はほんといい天気だね』

猫を撫でる手を再開して空を見上げた

Aの言う通り

今日は雲が少しあるものの

太陽の日差しが暖かい晴天だった

膝の上の茶トラもこの陽気が心地いいのか

くあーっと大きく欠伸をして

くるりと丸まって目を閉じた