からすside ページ7
混乱した。
頭が回らなかった。
呆然としていた俺をA君が押し退け入っていった。
それでようやくハッとした俺は、とりあえず警察に連絡を入れてからもう一度A君へと視線を移した。
すると、A君はギリギリ聞き取れるかどうかの声で『また？』と呟くと、力なく床へ崩れ落ちてしまった。
「っ！？ちょっ、A君！大丈夫！？や、大丈夫な訳ないか、えっと、びっくりしたよな、えっと！」
『…はっ……ひゅっ……ひゅっ……くっ…』
「息できないん？苦しい？過呼吸かな…ちょっと待ってな」
虚ろな焦点の合わない目でA君は苦しそうだった。
慌てて飲み物の入っていたビニールを使い、少しでも楽になるように尽くした。
「大丈夫やで…警察も呼んだし、今は俺がおる。大丈夫、大丈夫や」
『ひゅっ…ひゅっ…お…かあさ……はっ…』
「お母さん？」
『かあ…さ…こない…で……やめ……ひゅっ…』
「っ！ちゃう！ちゃうで！A君、よう見て？俺と目合わせて。今A君と一緒におるんは俺や。からすや。わかる？聞こえる？」
『ひゅっ…はっ…から…す…？』
「そうや。かーらーす。な？」
『……はっ…からすさん…僕…』
「ん、大丈夫。無理して話さんでもええで。ゆっくり息して、落ち着き？」
『……ん………………』
そのまま少しずつ正常な呼吸を取り戻したA君は、疲れ切ったように眠ってしまった。
それを確認した俺は、急いで携帯を取り出すと速攻電話をかけた。
「……あ！出た！もう、ゆうま君遅い！大変なんや！」
終わり
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Ｍ - 続き気になります！SLHの男主小説少ないんで嬉しいです！！ (2019年8月8日 11時) (
レス) id: c51e362cb2 (このIDを非表示/違反報告)
雪林檎(プロフ) - こんには！とても面白かったです！続きがとても気になりました！いつでもいいので更新待ってます！ (2018年12月28日 17時) (レス) id: abf7edc199 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 面白いです！すぐに高評価押しました！SLHの小説少ないから嬉しいです！更新頑張ってください(´∀｀*) (2018年10月14日 22時) (レス) id: 0ceadaf922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はじゅ | 作成日時：2018年3月5日 4時
