紫苑が咲く頃に

始まり2 ページ2

さて、今日はもう寝よう。
撮影も編集も今日で全部やったから疲れた。

熱いシャワーを頭から浴びると、凝り固まった何かがお湯に溶けていくような気分だ。
今日も頑張った。
明日からはまた違う曲の振り付けを始めよう。

高校を卒業してから5年間寝続けている一人暮らしの部屋のベッドに横たわると、僕はすんなり夢の世界へと飛び立った。









『はぁ、はぁ、っ、やっぱなんか違う、くそっ』


朝目が覚めてから日課のジョギングを終え、いつも練習をしている近所の公園に来ていた。
公園とは言うものの、遊具なんて何一つない、人っ子一人寄り付かないただの空き地のようなものだ。
僕的にはとても好都合だ。


そんな公園で、予定通り振り付けを始めたはいいが、納得いくものがまるで作れない。

かれこれ悩み始めて2時間が経った。
明らかに負のループにはまってる。
僕の悪い癖だ。

上手くいかないことがあると、解決するまでがむしゃらに突き進んでしまう。
休憩も必要なのだと頭では理解しているものの、どうしようもないモヤモヤ感に負けてしまうのだ。



『繋ぎがどうしても…どうしたら…』

「ターンでも挟んでみたら？」

『あっ…そうか盲点だった！ここでこう、ターンを入れれば………………え？』

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