初めまして、新しい私。

P12:友人の言葉 ページ15

〜side佐藤美和子〜



＜頼む……頼むよ……


…………………佐藤さん!!!＞



その切羽詰まった声に弾かれたように顔を上げた。


動く気配のない観覧車の72番目のゴンドラを見つめる。



「……わかった、米花中央病院ね!?直ぐに向かわせるわ!!」



友人との電話を切り、爆弾と向かい合っているであろう彼へと電話を掛ける。

……と、同時に隣にいた白鳥君に指示を出した。



「白鳥君!!萩原君に連絡して米花中央病院に向かわせて!!」


「…!!………米花中央病院、ですか？」


「えぇ、私の友人が爆弾を見つけたらしいのよ!!」


「何だって!?……白鳥君!!急いで連絡を!!」


「は、はい!!!」



目暮警部の声に直ぐ電話を掛ける白鳥君を横目で見ながら、祈る様にゴンドラを見つめる。



「(お願い……!!出て………!!!)」





ピッ



＜………佐藤?悪いが、俺は………＞



「米花中央病院!!!私の友人が爆弾を見つけたわ!!さっさと解体して降りて来て!!」



ようやく繋がった松田君の言葉を聞きもせず、早口で伝える。少し命令口調なのは、まぁご愛嬌って事で。


電話の向こうの松田君は少し絶句している。沈黙が5秒位続き、その後急に怒鳴り付けてきた。



＜んだと!?………っあー、くそ!!………わかった、ちょっと待ってろ!!!＞



通話は切れないままガチャガチャと言う音だけが聞こえる。



「ま、松田君？大丈夫？間に合うの？」



＜ﾌｯ……こんな仕掛け3分もありゃお釣りがくるぜ。＞



その時だった。




ビｰｰｰｰｰ




甲高いブザーの音が電話の奥から聞こえた。

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