1話 定食 ページ2
「ここが試験会場…？」
とある定食屋の前に立つ少女は、不安そうに手元の紙と定食屋を交互に見る
「地図は合ってるけど…こんな所にハンター試験の会場があるの？」
少女は眉を吊り下げ、定食屋の暖簾をじっと見つめていた
そして手元の紙へ視線を移す
地図の隅に書いてある言葉を何度も読み直す
「ステーキ定食、弱火でじっくり、かあ…」
最初はなんだこの文字、と思っていたが、いざ試験会場の前に来ると、納得してしまう
確かに定食屋ならこんな事言うなあ
「…なるようになるよね。入ってみよう」
持っていた紙を右ポケットに突っ込み、定食屋の戸を開ける
中からは食材の焼ける音と匂い
いかにも定食屋です、って感じだ
「いらっしゃい。注文は」
奥で中華鍋を扱っていたおじさんがこちらをじっと見ながら野菜を炒めている
「あ、えっと…ステーキ定食を」
ステーキ定食、という言葉を聞いたおじさんの目が少し釣り上がると、焼き方は？と訪ねてきた
「よ、弱火でじっくり…」
あまりの気迫に一歩後退したが、おじさんはふいと中華鍋に目線を落とし、短い返事をした
すると、今までテーブルの方で水を出していた女の人が元気な声で「こちらへどうぞ」と言ってきたので、それに従うように奥の部屋へ入っていった
そこには1人前と思われる肉と野菜、テーブルの中心には網が敷かれていて、熱そうに音を立てている
「ごゆっくりどうぞ」
女の人は少女が座ったのを確認すると、静かに扉を閉めた
何もかもがトントン拍子で進んでいってしまい、本当にここであっているのかという不安に陥ってしまう
「普通の部屋って感じ…うわ！」
突如浮遊感に襲われ、テーブルの端にしがみついたが、それは最初だけだったようで、料理たちが溢れていないかを確認した
モーターのような音がしていることに気付き、この部屋はエレベーターだったのだと知る
「…とりあえず、食べようかな」
おもむろにトングへ手を伸ばし、肉を網の上に置けば、脂の跳ねる美味しそうな音がモーター音と重なった
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かわしき(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます！お誘い大変嬉しいのですが、全くこのサイトにログインしないことがあり、反応できないことがありますので申し訳ないですがご遠慮させていただきます。これからも作品を読んでいただけると幸いです！ (11月12日 14時) (
レス) id: 7549c5a25b (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - かわしきさん» ✉️。凄く面白いです！もしよろしければボードで会話したいのですが宜しいですか？返事お待ちしています。 (11月12日 13時) (レス) id: d7c4d06b1b (このIDを非表示/違反報告)
かわしき(プロフ) - かるぴさん» コメントありがとうございます！現在四次試験編のストーリーを考え中ですので、夏くらいにはかためて更新したい所存ですので、ぜひお待ちください！ (5月8日 10時) (レス) id: 7549c5a25b (このIDを非表示/違反報告)
かるぴ(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです....！！更新停止なのが残念ですがまた続きが読めることを楽しみにしてます！！ (5月7日 23時) (レス) id: 33666e1c00 (このIDを非表示/違反報告)
ハウ☆(プロフ) - ものくろ。さん» ありがとうございます！占ツクに10年滞在した女の結果がこれです！！更新頑張ります！ (2019年10月29日 9時) (レス) id: 7549c5a25b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かわしき | 作成日時：2017年10月1日 23時
