#14 ページ17
「正直、まだ会ったばかりにしても、我輩には菊月の心に穴が空いているとは思えませんがな。」
紅茶を一口飲んで、スネイプは言った。
「ほう、どうしてじゃ？」
ダンブルドアが聞いた。
「ごく普通の、ホグワーツの生徒と変わりがないからです。先ほど校長が言ったような人物に該当するとは思えません。」
スネイプは言った。
Aは自らの意思をきちんと伝えてくるし、真っ直ぐと前を向いているように見える。
無気力や自己を見失っているようには見えない。
「ふむ。まぁ、一見するとそうなのかもしれぬ。じゃが、人間は多面体じゃよ？セブルス。君が今まで見た面とは別の面も持っておろう。常に深刻な雰囲気を漂わせているような子だけが闇を抱えているわけではない。……一応保険をかけておいたから、Aが勝手に消滅することはないじゃろうが。」
ダンブルドアが言った。
Aにできる限り人々を生き残らせて欲しいと頼んだのは、第一にはダンブルドアのエゴがある。だが、第ニには、眼鏡にブラックホールの片鱗が見えたダンブルドアがAが勝手に消滅してしまわないようにするための保険でもあったのだ。……第二は完全に後付けだが。
「保険？」
スネイプが眉間に皺を寄せて聞き返す。
「彼女が自己消滅しないための保険じゃよ。まぁ、わしのお願いを聞いてもらっただけじゃが。」
ダンブルドアは言った。
「まぁ、この様子を見る限り、Aとはうまくいっておるようじゃ。何よりじゃよ、セブルス。」
ダンブルドアがにこやかに言った。
「まだ会って数時間ですぞ？大げんかする方が問題だと思いますが。」
スネイプが言った。
「まぁ、それもそうじゃが。Aは頭も良いし、理解力も高い。子供を好かぬセブルスからすれば相手しやすい子じゃろ？」
ダンブルドアが言った。
「相手は曲がりなりにも17歳ですぞ？通常なら成人している。子供じゃない。」
スネイプが言った。
「とはいえ、立場上は学生じゃよ？マグル界なら未成年じゃ。どちらかといえば大人同士のドライな関係より、家族のようなアットホームな関係を築いてほしいがの。」
ダンブルドアが言った。
「そう思うなら、担当を別に変えたらどうです？」
スネイプは言った。
「いやいや、君が1番適任じゃよ。」
ダンブルドアが言った。
スネイプは解せぬ、という表情を浮かべる。
「まぁ、仲良くすることじゃ。」
ダンブルドアは意思の読めない笑いを浮かべたのだった。
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灰墨空百(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» （続きです）声が一瞬出なくなったのを表現したくて「〜！」の形にしました。読み返して気が変わったら採用するかもです。コメントありがとうございます！ (2017年9月8日 22時) (
レス) id: 2f65ae6162 (このIDを非表示/違反報告)
灰墨空百(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 同じ番号があるのは、お話が続いているからです。計画性がないがゆえに1話に入りきらなかったんです。誤解を与えて申し訳ないです。円を描いたのは、なんとなくでどうしたらブラックホールを出現させることができるかわかったからです。超感覚として説明してます。 (2017年9月8日 22時) (レス) id: 2f65ae6162 (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の巴衛(プロフ) - 「〜！菊月！」スネイプにユキは手で円を書く。スネイプ先生は円を書けといってないのに、円を書いたのですか？それと、こじんてきにですが、「きっ、菊月！」の方がいいかも！ (2017年9月3日 19時) (レス) id: 2ff3e29f1d (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の巴衛(プロフ) - #4の表記が二つあります。 (2017年9月3日 18時) (レス) id: 2ff3e29f1d (このIDを非表示/違反報告)
ちあぴー - ここまで緻密なハリポタの物語は初めて読みました。読んでいて本当に楽しかったです。ありがとうございました！ (2017年8月24日 13時) (レス) id: 7643a06046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒 | 作成日時：2017年5月4日 18時
