【黒バス】灰色。【灰崎祥吾】6 (ページ46)

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ー貴女side

火を止めて、出来上がったチャーハンを更に盛り付ける。
卵とチャーシュー代わりのベーコンとネギだけの
シンプルなチャーハンからは湯気と共に
美味しそうな匂いが漂って作った私もお腹が空いてきた。

「灰崎くん、出来たよー」

お皿をテーブルに置きながら声を掛けるが、
帰ってきたのは気持ちよさそうな鼾だけ。

もう一度「灰崎くん」と名前を呼んで
ベッドに近付いて腰掛けると
これだけ近付いても起きる気配は全く無かった。

「ぐぅー……」

よっぽど今日の文化祭、試合も含めて疲れたんだろう。
起こすのも可哀想だな……と思うけれど、
このままだとチャーハンも冷めちゃうし。

私は人差し指を立てると、ツンツンと頬をつついた。

「うぅﾞん……」

「起きた？」

「ぐぅー……」

「起きてなかった」

ため息をつくと布団を捲って譲ろうと肩に触れる。
その時にボタンの開けられたワイシャツから覗く白い首筋に視線が移った。

……あの時に噛み付いたのはもうとっくに消えてる。

私の方も、と思いながら自分の首元を引っ掻くと
私は灰崎くんの上に馬乗りになった。

「起きなきゃイタズラしちゃうよ」

「……」

目を閉じたまま、騒がしい鼾が静かな寝息に変わった。

それを私は起きなかったと認識した。
起きなかったと認識して、灰崎くんに覆い被さる。

ワイシャツのボタンを一つ外すと唇をそこに押し付けた。

「……」

しばらく吸い付くように口付けてから唇を離して顔を上げる。
灰崎くんは少しだけ不機嫌な顔で私を見上げていた。

「おはよう」

「……何勝手なことしてんだ」

「ちゃんと見えないとこにしてあげたじゃん」

「そういう事じゃねェ、」

灰崎くんは私の腕を掴むとそのまま体勢を起こして、
一瞬で私ごと身を翻すと今度は灰崎くんが私を見下ろす形になった。

そして私の両手を拘束してシーツに縫いつけると
ワイシャツのボタンを外す事も煩わしいと思ったのか
カーディガンごとワイシャツを胸上まで託しあげて

胸元に乱暴に唇が押し付けられた。