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Gray.288 ページ38

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「ハッ!説教でもしに来たってのかよ!
別に俺一人居なくたって部活は出来んだろ、ほっとけよ!」


「ぷっ……ははは!お前そのセリフお約束すぎんだろ」


「んだと?」


「部活サボりまくって自分をアピールしてんだろ?
大丈夫、ほっとかねぇよ。構ってちゃんだなお前」



体温が一気に上昇するのを感じた。
体温が上がったのは今の煽りでキレたからで
今の煽りでキレたのは、



「ッざけんなテメェ!!」



違う。別に部活サボってた理由はそんなんじゃねぇ。
何となくめんどくせーから、気分じゃなかったから。

俺のパンチを軽々止めながら、
虹村は余裕の表情で嫌味ったらしく笑っていた。



それから、物の見事にボコボコにされたのは言うまでもない。


何でこんなに俺にばっかり執着して来るのか。
意味わかんねぇ程しつこいくらいに俺に構って来る男だった。



「ッ、イッテェ……」



それから一日後。ボコられた時に口ん中切ったのか
昼飯のラーメンが傷口に染みてまた腹が立つ。



「ここ、空いているね?」



ただでさえ腹立つのに余計に腹立つ野郎が目の前に腰掛けてきた。



「あ?……赤司……。空いてねぇけど?」



赤司は「そうか」と言いながら平然と目の前に腰かけた。



「空いてねェっつってんだろうが!……畜生」



いつも通りの冷たく澄ました顔で俺に小言を言いながら、
それをイラつきながら受け流すと、
最後には結局、部活に来るように催促してきた。



「今日の部活は実践を兼ねて1年対2年の試合を行う。
お前も必ず参加するように」


「あ゙?俺に指図すんな、何様だテメェ」


「俺は副キャプテンとしての勤めを果たしてるだけだ」


「あー!ハイハイ!左様でございますか
副キャプテン様わざわざありがとうございますね!」



煽るように言ってやると少しの間を開けて呆れた顔で赤司が再び口を開いた。



「灰崎、お前が練習をサボる理由はなんだ?」


「理由?ンなもん別にねェ。気分だよ気分」


「部活に参加する気がないなら退部すれば良いだろう」



───結局、その後も俺のイラつきが増しただけで、
赤司のド正論はただでさえ部活から遠さがる俺の足に
更に重りをつけてきただけだった。


お前みたいなのがいるから余計にサボりたくもなる。


コイツはそんなの知ろうともせず、
自分は正しいというツラだけはご立派なモンだった。

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マリイ - ミリイのリクに虹村とこのままが良いって言う奴いるからミリイが怒ってる そのコメに返信するから余計に怒った ミリイに全て聞かないとダメ (2019年8月24日 14時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:由麻 | 作成日時:2019年8月8日 0時

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