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Gray.282 ページ32

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ー灰崎side




ミョーに誠凛が殺伐としてやがる。
…大方、さっき試合前にAがなんか言ってたのが原因だろう。

いつしか余計な挑発すんなっつわれた事があったがお互い様じゃねぇか。

それに、



「おいテツヤ。お前が俺のマークについてんのも挑発か?」


「…気付かれてましたか」


「散々見てきたんだ、今更見失わねぇよ。……多分」



…去年ならともかく、今年の誠凛はテツヤ以外で
ずば抜けて強い要素は無い。

やっぱ奪いたくなるようなもんもねぇな。

望月達でも全然互角に渡り合える奴らから
奪いたくなるようなもんもねぇし、
テツヤが俺のマークについてる限り
下手な動きはしてこない上に
何かあっても俺はいつでもテツヤを抜ける。

今回はアイツらに任せてのんびりするとしよう。



そう思いつつ、試合を眺める。



第1Q、開始三分。
10対15で若干負けてる。

理由をあげるとすればあっちはスリーポイントで
ガンガンに点数を取ってくるからって所だろう。

それに、5番のPGは涼しい顔で的確にカットしやがる。



まあボールカットも点取るのもこっちだってやるわけだからそんなに大きくは点差も開かないけれど



「灰崎くん、変わりましたね」


「あ?」


「だって去年の君だったら
コートはほぼ独占場だったじゃないですか」



今は仲間に委ねてる、とテツヤは言ったけれど
単に俺が出るのが面倒なだけだ。

面倒だからサボって眺めてんだよ。



「お前こそ良いのかよ?
俺のマークばっかしてて。本業はパス回しだろ」


「灰崎くんのマークをするように指示されたので」


「はあ?何でよりによってお前なんだよ。
俺じゃなくたって簡単に抜かれるくせ…に…」



抜かれる?いや、そもそも大きく動く気は無かったが
もしも目的が俺のマークじゃなかったら?

別の理由でテツヤを俺のマークにしたとするなら

考えられる理由は。



「チッ、時間稼ぎって事かよ」



さっき試合前にAが何を話してたかは知らねぇ。
けどその時に多分、俺が試合であまり動かない事を知ったのだろう。

俺さえ居なければ勝てるとでも思ったから

だからわざと、知り合いであるテツヤを
俺のマークにつけて俺が動くまでの時間稼ぎをした。

その間に点を引き離そうとしたから。

しかも仮に俺が動いたらテツヤも動く事になるから
それによって試合の流れも左右される。


……って所かと誠凛の女監督の方を見ると目が合う。
少しだけ頬に汗を滲ませているのを見る限り正解か。

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マリイ - ミリイのリクに虹村とこのままが良いって言う奴いるからミリイが怒ってる そのコメに返信するから余計に怒った ミリイに全て聞かないとダメ (2019年8月24日 14時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:由麻 | 作成日時:2019年8月8日 0時

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