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Gray.276 ページ26

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数日後。文化祭当日である今日までの日々は平和だった。

嫌がらせもなくなって灰崎くんとは隣の席になって。
なんだかんだ幸せに過ごしていた今日この頃。



「なーんで練習とはいえ試合の日に高確率で居なくなるんですかねうちのエースは」



朝のミーティングに来なかった灰崎くんに対して呆れたようにもっちー先輩がそう言った。



「文化祭遊び歩いてるんじゃないですかね…
というか、今日はまだ一度も見てないかも」



文化祭の日は登校してすぐ出店のある教室や部室にそれぞれ向かうので
教室に行かない分、出席も取らない。

勝手に出席扱いになるので
サボってても誰も分からないのだ。



「まあ、試合は午後からだし…でも一応掛けるか」



もっちー先輩は携帯を出すと灰崎くんに電話を掛け始めた。
二、三コール後で電話からは楽しげな灰崎くんの声。

背景にざわつく音が聞こえるので文化祭には来てるのだろう。



「あー?なんだよ、試合午後じゃねぇの?」


「試合はな。朝に軽くミーティングするって昨日言ったんだけど忘れてない?」


「んなもん聞かなくたって余裕だっての」


「いや試合の事だけじゃなくて
誠凛が来たらお前とAに控え室に案内させようと思ったんだよ」


「なんだそれめんどくせぇ。
案内ならAだけでいいだろ」



全部聞こえてるんだよなあ。

何なら電話越しに「祥吾くん?電話ー?」という女の子の声も楽しそうに「部活。試合午後だから見に来いよー」という声も聞こえる。

……他の女の子を誘ったんだ。



「あ、ちょ、」



私はもっちー先輩の腕を掴むとそのまま携帯を口元に持ってきた。



「じゃあ私、もっちー先輩と誠凛案内するね」


「え」


「おー、試合になったら顔出すわ」


「うん、あ、ついでに文化祭も回りましょうね、先輩」


「は?望月とまわんの?」



最初は戸惑っていたもっちー先輩だったけれど
意図に気付いたのか最後には楽しそうに乗ってくれた。



「そうだな、回ろうか。…二人っきりで。」


「ちょ」


「じゃあまた後でね、灰崎くん」



そして先輩は電話を切った。



「で?マジで俺と回る気?」


「どっちでもいいですよ?
ただちょっと灰崎くんに嫌がらせしただけなので」


「…んじゃ回りつつうちのクラス行こっか。
去年の劇の衣装利用してアリスカフェやってます」


「え、絶対可愛いじゃないですか、行きたい…!」



こうして私達も静かな部室から騒がしい文化祭の波へと飲まれて行った。

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マリイ - ミリイのリクに虹村とこのままが良いって言う奴いるからミリイが怒ってる そのコメに返信するから余計に怒った ミリイに全て聞かないとダメ (2019年8月24日 14時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:由麻 | 作成日時:2019年8月8日 0時

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