【黒バス】灰色。【灰崎祥吾】6 (ページ13)

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Gray.263 ページ13

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「あー…」

それは翌日の事だった。
昨日の今日とは思わなかったけれど
どこかでこうなる気はしていた。

私は掃除用具から雑巾を取りそれを廊下にある水道で濡らしてよく絞ると
教室に戻り、人目もはばからず自分の机を拭いた。

「おはよ、何してん…」

後ろからかかった声に振り向くとそこに居たのは隣席の彼で私の机を見て言葉を止めていた。

まあそりゃあ昨日まで綺麗だった机に悪口が書かれていればそうなりますよね。

クラスの皆、知らないフリをするのに

やっぱ彼は見てくれるんだ。

「…えっと、おはよ?」

「え、あ、…よくわかんねーけど手伝うわ」

「えっ?大丈夫…」

彼は荷物を置くと直ぐに先程の私と同じ行動を経て机を拭いてくれていた。

「…なんだけどな」

「ん?」

「ううん、ありがとう」

私も改めて拭きながら灰崎くんの席を見てみる。
まだ来てない。…出来れば来る前に拭こう。

余計な心配は掛けたくはないから。

「よかった、水性なのか結構すぐ落ちるっぽい…
にしても誰がこんな…」

「…まあ大体予想は着いてるけど。
いいよ、飽きるまで好きにやらせておけば」

「そんなんじゃキリないだろ…。
誰がやったかわかってるなら、なんなら俺が」

「あ、本当に大丈夫だから。…たまにこうして助けてくれたら嬉しい」

少しだけ不服そうに、けれど彼は小さく「…わかった」と言った。
そしてふと私の顔を見ると「あれ、今日は花粉あんまり飛んでない感じ?」と自分の口元を指で差した。

…ああ、今日はマスクしてないからか。

「…うん。今日は大丈夫みたい。」

「そっか、なら良かった」

「うん、良かった。」

その後、彼の手伝いもあって灰崎くんが来る前に落書きは綺麗に消すことが出来た。

…改めて考えてみると毎日これを繰り返すのは嫌だなぁ。

やっぱ、飽きるまでやらせとくのはダメかな。

でも何言っても拒否権無いとか言われそう。

どうしようかなぁ。