Gray.162 ページ12
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何となく、見たら全てとは言えないがテストで言えば赤点は取らない程度に覚えていられるからカンニングしてたってだけで
それを暗記が得意だとか言われるとは思わなかった。
それを当たり前のように日常生活でもバスケでもやっていたから。
それを端的に言うと更に二人はゲンナリしていた。
「チートかよ…お前勉強したら満点余裕だって」
「いや、求めてねぇし、めんどくせぇ」
「灰崎くん勉強要らないじゃん…ズルい」
「は?しんねーし」
俺が先程書いた紙は、直前に見たものをすぐ書いたというのもあるがほぼ全部丸写し出来ていたらしい。
それは俺にとっては当たり前だった。
「本当は勉強を教え込むつもりだったが…。
何度も書いたり問題解いたりして頭に覚えさせる所を
覚える機能が最初から備わってるからもうひたすらノート読むくらいしかやれる事が無いんだけど」
少し悩んでから望月は「とりあえず渡しとく。暇潰しに目を通しといて」と去年使ってたであろうノートを目の前に置いた。
また、望月はAに数学を教え始めてしまい
暇になって俺は結局、暇潰しにと申し訳程度に数学のノートを捲った。
男にしては小綺麗な、それでも太い字で丁寧に纏められたノートは多分、分かりやすいんだと思う。
…コイツらはきっと勘違いをしている。
暗記って言うのは文章として覚えるのであって公式の解き方とかまで覚えられる訳じゃない。
だからちょっと、ノートを読む程度に。
俺だってIHには出たいから
「…ちったぁ勉強、やってやるか」
そう、小さく呟いた。
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作者名：由麻 | 作成日時：2019年3月26日 23時
