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Gray.71 ページ21

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ミニゲームが終わると、休憩に入ったらしくそれぞれドリンクを飲んだり喋ったり自由気ままに過ごしていた。

しばらく覗いていると



「ねぇ」



突然、後ろから肩を叩かれた。



「っえ!?」



振り向くと、そこには桃色の髪を一つにまとめ黄色いパーカーを羽織り、タオルを持つ綺麗な女の子がいた。



「もしかしてマネージャー志望かな!?」


「え、は、はい!」



いや"はい!"って何!?
圧倒されて"はい!"って答えちゃったんだけど!

そして断りづらくなったのは彼女の表情がキラキラしたものに変わったからだ。



「私、桃井さつき!中にキャプテンが居るのでさっそく言いに行きましょう!
これからよろしくお願いしますね!」


「え、え、いきなり…!?」



私の言葉に耳を傾ける事もせず桃井さんは体育館の扉を開いて中に居る人物に声を掛けた。



「虹村キャプテン!マネージャー志望の子が外に居たので連れてきました!」


「……え?」



虹村、キャプテン!?
虹村さん、バスケ部のキャプテンなの!?

桃井さんの言葉に押されて体育館に入ると
虹村さんも私を見ていて目が会った瞬間、目を見開かれた。

が、それは一瞬の事ですぐに元の表情に戻った。



「…。…入部届けそっちに置いてあるから書いたら顧問に渡してくれ。」


「…はい」



虹村さんの声はまるで私を避けるように冷たくて
その声に頭が冷えた私は返事を返すと彼の言ったように入部届けを手に取った。


私は、マネージャーになりたいのだろうか。
バスケだって未経験だし、さっきのミニゲームは見てて魅入ってしまったけれど

マネージャーの仕事をやって行ける自信が無い。


もう一度、虹村さんを見るとまた彼も私を見ていて目が合った。
けれどすぐに逸らされてしまった。



「…何でそんな、初対面みたいに」



呟きながら……私も、目を逸らした。

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作者名:由麻 | 作成日時:2018年12月14日 6時

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