【2BRO.】妄想短編詰め合わせ

最高の(otsuichi) ページ45

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▽BAR 2BRO.ネタ



ねぇねぇ、弟者くん。とカウンター越しに呼びかけて、最近彼女見かけないねえと奥の席に目をやった。最初は首を傾げていた弟者も、あーAさんのこと？と、同じく奥の席を見る。当然そこには誰もおらず、グラスを傾ける音だけが響く。


「知り合い？」
「まあ、常連さんだからねー」


それもそうか、客である俺と接客をしている弟者では比べるには立場が違いすぎる。
滅多なことが無ければ客同士が話すことなんてないし、良くていつも来てるなぐらいにしか思われてないだろう。


「なーに、おついちさん。気になるの？」
「だって美人さんじゃない？そりゃおじさん気になるよね〜、お話してみたいじゃん」
「ちょっと変なことするのやめてよ？」
「しねぇわ」


君ねえ、と俺がじとりと睨んだ瞬間、弟者が入口に目を向ける。そして、噂をすればと俺に目配せ。

へえ、なんとまあ素晴らしいタイミング。


「おついちさんも運がいいね」
「日頃の行いが違うんだよ」


ふっ、と笑いながら彼は彼女の元へ。
客とバーテンダー、お久しぶりですねと言える関係か。なんだよ羨ましい。
そう思いながら2人を見ていたら、ばちりと彼女と目が合った。そらすことが出来ずに、そのまま会釈。いやいや何やってんだよ俺、チャンスじゃないか。
弟者からの視線に気づかぬ振りをして、足を進める。


「隣、座ってもいい？」
「ええ、もちろん」



ちょうど話し相手が欲しいなと思っていたところです、と彼女が笑う。初めて聞いた彼女の声は、ころころと鈴が転がるようだった。
大人になると…というかこの歳になると、１から関係性を築くのが億劫になってしまうが、今回ばかりはそれもいいかもしれない。





最高のめぐり逢い
(じゃあ…最初の1杯、お付き合い願えます？)
(よろこんで。弟者くん、キール)
(ふふ、素敵。バーテンダーさん、同じのを)
(畏まりました(おついちさんキザあ…！！))






2人とも常連だからこそ出来るやつ←
キールのカクテル言葉は最高のめぐり逢いらしいです。

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