【2BRO.】妄想短編詰め合わせ

髪を乾かす(anijya) ページ42

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お風呂上がり、半裸の兄者さんが脱衣所からがしがしと頭を拭きながら出てくる。
目のやり場に困るので、服を着てから来てくださいと何度もお願いしたが、減るもんじゃないし見慣れてるだろ？と聞く耳を持たず、結局私が折れてしまった。
いつもはワックスで撫でつけている髪も、この時ばかりはたらり、と前に垂れ下がる。
昼間の彼とは別人のよう、この姿を見れる人間は数少ないだろうなと思うとなんだかとても恥ずかしい。


「髪、長いですねえ」
「ん？ああ、そうだな」


頭セットするのに多少の長さは必要だからな、と濡れた髪をかき上げる。
うわ、不意打ちでそういうことするのやめて欲しい、色気がありすぎて困ってしまう。


「はっはーん、照れたな？」
「自分の外見理解してます？あと、服着てくださいっ」


髪、濡れたままだと風邪引きますよー、と言えば今度は乾かしてよと急に甘えた声を出す。
困るんだよなあ、この人。自分の使い方よく分かりすぎてる。
ソファーに座らせて、後ろからドライヤーをあてればサラサラと青い髪が踊って…それがあまりにも


「きれい」
「なんて？」
「なんでもないですよー、はい終わり」


鼻までかかる前髪。
セットしてない状態では、ちくちくと邪魔そうだったので腕に着けていたゴムでくるくるとちょんまげに。
つい出来心で。


「こりゃいい、ノーセットだと邪魔なんだよ」
「ふ、ふふふ…っかわいいですね、兄者さん…っふはっ」
「おい、笑いすぎだろ」


歩く度にぴょんぴょんと跳ねる前髪。
普段の彼からは想像つかない姿に思わずスマホでパシャリ。
しばらくこれで笑えそう。




髪を乾かす
(兄者…っ、ぶっ…！！あははははっ！！！なんつー髪型してんの！？！？ちょ、おついちさーん！！！)
(どーし…っ？！ぶっ、あはははは！！！似合うじゃん兄者！！っあはは！！)
(この間、彼女にやってもらったらちょー楽なんだよこの髪型)
(楽、とかそういう問題じゃ…っ、あはは！！げっほ！ごほっ！！)
(おじいちゃん大丈夫う？！？！)





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むせるおじいちゃんと無自覚なお兄ちゃんと笑いすぎて泣いてる弟さん。
作者から読んで下さる皆様へのホワイトデー第一弾と言うことで。できればあとお2人も書きたいな。
髪をテーマに。

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