【2BRO.】妄想短編詰め合わせ

自惚れ(otsuichi) ページ26

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女の子の成長ってとっても早くて、ついこの間まではおついち！って呼び捨てで呼んでくれてたのに。いつの間にかおついちさん、だなんて他人行儀で呼ばれるようになって。
髪を染めたり、すっぴんしか見た事なかったのにメイクをし始めたり、服装がどんどん大人っぽくなって、きわどいスカートなんて履いちゃって。
ねえ、その姿は誰に見せるの？誰のために、そんなに可愛くしてるの？そう聞いてしまうのは意地悪なんだろうか。どんどん俺の知らないAちゃんになっていく様で、少し寂しい…いや違うなあ、なんて言うんだろうこの感情。


｢おついちさん、どうかしました？｣
｢ん？あ、いや、ごめん｣


ほら今も、敬語なんてなかったはずじゃない。Aちゃんにとって俺って、どんなポジションなんだろう、この先に進める可能性って何％くらいあるんだろう。やっぱり今日変ですよ？大丈夫ですか？と不安そうに見つめる彼女に、思わず綺麗になったね、と口に出してしまった。


「え、おついちさん…？あの、本当にどうかしたんですか…？」
「その敬語も、昔はおついちって呼んでくれてたのに」
「え、あの」
「そんなに可愛い格好して、メイクも覚えて」


どうしよう、止まらない。
どんどん出てくる言葉、目を見開く彼女。
俺、今どんな顔してる？さっきはなんて言うんだろう、この感情なんて言ってたけど今は分かるよ。嫉妬って言うんだこれ。
そのおしゃれも、メイクも、誰の為にしてるのか気になって仕方ないんだ。


「あー…、ごめん、俺かっこ悪いね」


彼女も大人になったのだ、年上に敬語を使うようになったり、メイクするようになったり、服装だって変わるよ当たり前だ。俺は何を焦ってる？俺の隣にいてよって、言えない癖に彼氏面かよ。


「ごめん、忘れて？買物いこっか」
「…ねえねえ、おついち」







自惚れてもいい？
(え、っ)
(少しは大人のレディになった？おついちの隣に立ってもいい？)


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