ねんね(otojya) ページ23
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ふと目が覚めて窓を見れば、そろそろ空が白み始めようかという頃。まだ起きるには早いし、もう一眠りしようかと寝返りをうつと広いベットが少し軋んだ。弟者はまだゲームかな、寝なくて大丈夫だろうか。すこしうつらうつらする意識の中でそう考えながら、ぼーっと窓を眺めていると背後のドアが、がちゃりと開いた。のそのそ、とベットの中に入ってくる気配がする。
弟者ゲーム終わったのかな?
声をかけようかとも思ったが、まだ頭が冴えてないのもあって言葉がでない。まあいいや寝たフリをしてそのまま一緒に寝てしまおう、そう思って目を閉じる。
彼の温もりが伝わってきて、心地良い。
さっきまでは広くて一人で寝るには寂しかったベットなのに急に寝心地が良くなるあたり、私も単純というかなんというか。
すると背中から手が回ってきて、弟者は優しく私を抱きしめた。すりすりと後頭部に擦り寄る彼…普段あんまり甘えてくる事がないのでびっくり。こんな可愛い所もあったのか、と口元が緩んだ。胸がきゅっとなって彼の手に自分の手を重ねれば、ぴくりと跳ねる。
「おとじゃ」
「ごめん、起こした…?」
彼の方に向き直り目を擦りながら、ゲーム終わった…?と聞けば、夢中になり過ぎた…と彼は目頭を抑えた。そりゃ目も疲れるよね、熱中してたもの。後でホットタオルやろうねと言えば、今はこっちがいいなと私の腰を引き寄せる。
「A、なんかいい匂いしない?俺と同じシャンプー使ってるはずなのに」
「ふふ、私は弟者の匂いの方が好きなんだけどなあ」
マニアックだあ、なんて2人で笑って見つめ合って。ああ、なんだかとても幸せ。
そのまま彼は私の額にキスを落として、とんとん、とまるで子供を寝かしつけるように、ゆっくりリズム良く私の腰あたりをたたいた。
Aちゃんねんねだよ、と優しい声で囁かれれば、私はあっという間に微睡みに引きずられて行くのだ。
「弟者、おやすみ…」
「おやすみ、A」
ねんねんころりよ
(…寝たかな)
(……かーわい…写真撮っとこ)
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普段はあんまりベタベタしなさそうだなっていう、想像。
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tokiiiii(プロフ) - くるるさん» ありがとうございます…!!天を仰ぐ…?!えっ、嬉しいです…!最後のお話は書くのに割と難航した記憶があるので、そう言っていただけると安心します。また更新する予定ですので、しばしお待ち下さいね! (2022年1月28日 16時) (レス) id: 1acee39900 (このIDを非表示/違反報告)
くるる(プロフ) - 最後が最高すぎて天を仰ぎました😇ありがとうございます!! (2022年1月26日 22時) (レス) @page18 id: 71ebbc7488 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - tokiiiiiさん» きゅんとするような感じが疲れ吹き飛びます!生み出すのがお上手;)更新楽しみにしてます! (2021年5月31日 19時) (レス) id: d07ed213ea (このIDを非表示/違反報告)
tokiiiii(プロフ) - ちぃさん» ありがとうございます!え!嬉しい!告白は初めてです、嬉しい照れちゃう〜!! (2021年5月31日 7時) (レス) id: 459624764f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 全部いいです。全部好き!好きすぎてtokiさんが好きです!!! (2021年5月30日 23時) (レス) id: d07ed213ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:toki | 作成日時:2019年11月20日 22時