【2BRO.】妄想短編詰め合わせ

俺じゃだめ？(anijya) ページ11

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▽幼なじみ設定




恋ってさ、落ちるもんだよ。
誰かにそう言われたのはいつだっけ。
何気なくLINEしたり、電話出来る仲だったはずなのに、いつからこんなに遠くなってしまったんだろう。


「どうもー、おはこんばんにちは。弟者でっす！」


画面から流れる声はその人のものなのに、その声は私だけに向けられたものでは無い。
今日もすごいね、大人気だ。
声を聴いているのもなんだか辛くて、勝手に失恋した気分になって、本当に自分がダサくて笑えてくる。なんだかなあ、恋愛に臆病になったのは歳を重ねたからなのかな。幼い頃は、もっと正直に好きだと言えられていたのに。今思えば、私の甘酸っぱい恋心は全部弟者にあげちゃってるじゃないか。
そう思うとなんだか急に馬鹿馬鹿しくて、動画を止めた。

その瞬間、今度は電話がなって顔をしかめる。
今そんな気分じゃないんだけど。
ディスプレイには兄者と表示されていて、ため息が出た。よりによって今なの。


「お、出たな」
「用がないなら切りまーす」
「ひでぇな、用なくねえわ」


この人もこの人で忙しいんじゃなかろうか。
私に電話する暇なんてあるの？と言えば、暇は作るもんだろ、と笑われた。この人のこういう所、嫌いじゃない。そしてやっぱり兄弟だなあ、声質が電話越しだと少し似てて嬉しいんだか悲しいんだか。今、この声は私に向けられているものだ。でも、弟者じゃない。


「今、ちょっと辛いって思ったろ」
「思ってません」
「気づかねーとでも？」
「……何が言いたいの」



少しの沈黙の後、ぼそりと聞こえたその言葉に、時間がとまる。まるで月9ドラマのヒロインにでもなった気分だった。





俺じゃだめなの？
(え、はあ？ちょ、何言って)
(鈍感か。やっぱり直に言いに行くわ)
(ええ？！何時だと思って…！)
(子供じゃねーんだから、そのまま泊まりゃいいだろ)(はあ？！)




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もともとボツにする予定でした。

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