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6話 ページ7

side蘭

俺らの親は子どものことなんか後回しにするような奴らだった。

母親はAを産んでは喜んでた。

【女の子だから売れば金になる】

そう言っていた。

けど、そうする前に行方不明になった。

父親もクソで

【誰のおかげで飯食ってると思ってんだ!】

【いつまで経っても礼儀知らねぇなぁ!?】

とまあ、

いわゆるクソ親父で。

【Aは良いな。あれは売れば金になる。】

なんてよくヤニを吸いながら言っていた。


A「…らんにいちゃん……A売られるの?」

幼いながらに身の危険を感じてたAはいつも震えていた。

蘭「兄ちゃんが守ってやるから、どこにもいかねぇよ。」

竜胆「りん兄ちゃんだって守っててやるから!」

竜胆、A、俺の順で1つの布団に3人固まって寝るのが日課だった。


【なんで俺がガキ3人も見なきゃいけねーんだよ!】

【せめて下の女さえ大金で売れればなぁ。】

そして遂に

【てめぇ、なんか要らねぇんだよ!】

言いやがった。

Aは泣くこともなかった。

竜胆が駆けつけて抱きしめる。

俺は親父を殴った。

A「…」

竜胆「A、これからは3人で生きていこう。」

A「さんにん?」

蘭「らんにいちゃんとりんにいちゃんとAな。絶対一緒だぞ。」


あぁ、俺が言ったんだ。

ずっと一緒だと。


病院で感情を無くした妹の上を被さるようにベッドに乗る。

蘭「…A、絶対一緒だ。お前が死ぬ時は兄ちゃん達も一緒に逝くから。」

竜胆「兄ちゃん……」

A「…離れない……?」

蘭「ああ。」

恐る恐ると小さい手が俺を抱きしめる。

A「…ずっと一緒がいい。」

と泣いて笑った。




Aが泣く度にこの光景を思い出される。



竜胆「兄ちゃん?」

蘭「んじゃ、ファミレス行くぞ〜。」

A「パフェ食べる。」

竜胆「はいはい。」

蘭「A♡」

A「ん?」

やっぱりかわいい俺の妹。

A「なぁに?」

蘭「かわいいなって思って呼んだだけ。」

A「りんちゃん、らんちゃんが変〜。」

竜胆「いつも通りだから安心しろ。」

竜胆は後でお仕置だな♡

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作者名:ペテン師 | 作成日時:2023年3月9日 14時

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